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『パイレーツ・ロック』未公開シーンに刻まれた、名匠リチャード・カーティスのビートルズへ捧げる熱い想い

(c)Photofest / Getty Images

『パイレーツ・ロック』未公開シーンに刻まれた、名匠リチャード・カーティスのビートルズへ捧げる熱い想い

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削除シーンに込められた”アビイ・ロード”



 ビートルズへの想いはこれだけでは終わらない。最も重要な痕跡は、DVD特典映像の”未使用シーン”に含まれていた。それは船上の仲間たちが久々に本土へと上陸し、夜な夜なパブやクラブをハシゴして泥酔した末に、いつしか導かれるようにアビイ・ロードへとたどり着くという場面である。


 リーダー格のフィリップ・シーモア・ホフマンは、皆に対し「ここがあの伝説的なスタジオだ」と恭しく紹介し、ビートルズの偉大さをしみじみと語る。そうやって最後は皆が一直線に整列したまま、世界を席巻する偉大なる4人組に対して心からの敬意を捧げ、このシーンは終わる----。



『パイレーツ・ロック』(C) 2009 Universal Pictures and Medienproduktion Prometheus Filmgesellschaft mbH & Co. KG. All Rights Reserved.


 ただでさえ2時間15分という長さで、最初に粗編集されたバージョンでは4時間近くもあったという本作ゆえ、この場面が最終的に削除された理由はなんとなく想像がつく。きっと作品の性質上、数多くの伝説的バンドや時代を彩る名曲をできるだけ平等に扱いたいという想いもあっただろうし、話の展開として、ここでシミジミしてしまっては後の流れがスムーズにいかないという都合もあったはず。


 とはいえ、脚本作『イエスタデイ』のビートルズ愛を目撃した上で、改めて本作の未使用シーンに舞い戻ると、隠しようのない一途な想いがこれまで以上に伝わってくることは間違いない。


 また、これほど思いを吐露しながら、結果的に「使わなかった」というのが、手渡せなかったラブレターを引き出しの奥に仕舞い込んでしまった純真な少年のようで、なんともカーティス監督らしい。




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