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『パイレーツ・ロック』未公開シーンに刻まれた、名匠リチャード・カーティスのビートルズへ捧げる熱い想い

(c)Photofest / Getty Images

『パイレーツ・ロック』未公開シーンに刻まれた、名匠リチャード・カーティスのビートルズへ捧げる熱い想い

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カーティスへと受け継がれしスピリット



 ちなみに、カーティスはインタビュー記事の中で、ビートルズに対して最初に抱いた衝撃や魅力として「喜びや幸せ、爽快感を与えてくれるところ。たとえ悲しい内容の曲であっても決して聞き手を落ち込ませることなく、気分を高揚させてくれる感覚」(*1)というふうに語っている。


 この言葉に触れた時、どこかカーティスの映画づくりとも似ているなと感じた。すなわち、喜びから苦しみ、悲しみ、葛藤まで人生のあらゆる瞬間に材をとりながら、それらをコメディというスタイルで包み、常に前向きなものへと昇華させていく力。それは他でもないカーティス作品が我々にもたらしてきた類稀なる魅力でもあると思うのだ。


 かつて彼らがカーティスに与えたスピリットは、こうやって大切に受け継がれながら、直接的、間接的な影響となって、いま我々の元にも降り注いでいる。リチャード・カーティスの手がける作品がいわば英国のシンボル的存在として、世界中の幅広い人々に愛され続けている最大の理由は、案外その辺りにあるのかもしれない。


*1)引用記事

https://www.vulture.com/2019/06/richard-curtis-yesterday-interview.html


参考資料・記事URL

・『パイレーツ・ロック』DVD(ジュネオン・ユニバーサル)音声解説、未公開シーン

https://www.theguardian.com/film/2009/mar/27/boat-that-rocked-background

https://www.theguardian.com/film/2009/mar/29/nick-frost-interview-boat-rocked

https://www.comicsbeat.com/richard-curtis-interview/

https://www.vulture.com/2019/06/richard-curtis-yesterday-interview.html



文:牛津厚信 USHIZU ATSUNOBU

1977年、長崎出身。3歳の頃、父親と『スーパーマンII』を観たのをきっかけに映画の魅力に取り憑かれる。明治大学を卒業後、映画放送専門チャンネル勤務を経て、映画ライターへ転身。現在、映画.com、EYESCREAM、リアルサウンド映画部などで執筆する他、マスコミ用プレスや劇場用プログラムへの寄稿も行っている。



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作品情報を見る





『パイレーツ・ロック』

Blu-ray:2,075円(税込)

DVD:1,571円(税込)

発売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント

(C) 2009 Universal Pictures and Medienproduktion Prometheus Filmgesellschaft mbH & Co. KG. All Rights Reserved.

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