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『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』ギャングの生き様を通して描かれる、20世紀アメリカの記憶

(c)Photofest / Getty Images

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』ギャングの生き様を通して描かれる、20世紀アメリカの記憶

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遂に動き始めた畢生の大作



 案の定、シナリオ作業は難航を極める。当初セルジオ・レオーネは、時系列で物語が進行する直線的な構成で考えていた。だが彼を含め、レオ・ベンヴェヌーティ、ピエロ・デ・ベルナルディ、スチュアート・M・カミンスキーなど多数の脚本家が関わったこの作品は、どんどんストーリーが膨らみ、3つの時代を行き来する複雑な構成となり、壮大な物語へと変貌していく。1981年10月に完成した時点で、脚本は317ページにも及ぶ長大なものだった。


 プロデューサーのアルベルト・グリマルディは、脚本を読んで頭を抱える。まず、映画が長すぎ!このままでは5時間の上映時間になってしまい、映画館の回転率が悪くなってしまう。主人公ヌードルスのキャラクターも問題だった。理由もなく人を撃ち殺し、女性をレイプするようなサイテー人間に、観客が感情移入する訳がない。グリマルディは脚本を作り直すか、あるいは製作しないかのどちらかを要求したという。


 もちろん、レオーネが念願の企画を簡単に諦める訳がない。彼は脚本のリライト作業に精を出しつつ、最適なロケ地を方々探し回り、3,000人以上の俳優とオーディションを重ねた。ヌードルス役にはジェラール・ドパルデュー、アル・パチーノ、ジャック・ニコルソンといったスター俳優が候補に挙がり、年老いたヌードルスをポール・ニューマン、若いヌードルスをトム・ベレンジャー、マックスをダスティン・ホフマンというアイディアもあったという。



『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(c)Photofest / Getty Images


 最終的に、ヌードルス役はロバート・デ・ニーロ、マックス役はジェームズ・ウッズが選ばれ、その他にもエリザベス・マクガヴァン(デボラ役)、ジョー・ペシ(フランキー役)、バート・ヤング(ジョー役)といった一流キャストが集結した。少女時代のデボラ役を演じているのは、当時まだ12歳だったジェニファー・コネリー。彼女の瑞々しい演技に『サスペリア』(77)で知られる映画監督ダリオ・アルジェントが魅了され(彼とセルジオ・レオーネは、『ウエスタン』で仕事をしている仲だった)、『フェノミナ』(85)の主演女優に起用している。


 1982年6月、撮影開始前にセルジオ・レオーネはハリー・グレイに連絡を取り、遂に「The Hoods」が映画化される朗報を伝えようとした。だが電話に出たのはその妻で、夫が数年前に亡くなったことを伝えたという。それだけ『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』は、企画段階から長い年月が流れていたのだ。




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