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『フェイス/オフ』極限まで感情を揺さぶる、ジョン・ウーの傑作アクション

(c)Photofest / Getty Images

『フェイス/オフ』極限まで感情を揺さぶる、ジョン・ウーの傑作アクション

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香港の鬼才から、ハリウッドの鬼才へ



 敵同士である男たちの顔を入れ替え、その状態で戦うという設定はSF的。実際、当初の脚本は200年後の世界を舞台にしていた。この脚本は、マイク・ワーブとマイケル・コリアリーのコンビによるもの。UCLAで映画を学んでいた1991年、彼らはジェームズ・キャグニー主演の『白熱』(49)に影響を受けて、このシナリオを執筆したという。


 その権利を買ったスタジオは当初、アーノルド・シュワルツェネッガーとシルベスター・スタローンを主演にした映画化を考えていたが、実現しないまま時が過ぎる。94年には、後に『ワイルド・スピード』(01)を放つロブ・コーエンが映画化を試みたが断念。ジョニー・デップは一時、アーチャー役に興味を示したが、こちらも降りて、企画は棚上げとなってしまう。



『フェィス/オフ』(c)Photofest / Getty Images


 一方、ウーは93年、ジャン=クロード・ヴァン・ダム主演の『ハード・ターゲット』でハリウッドに進出。続く『ブロークン・アロー』(96)ではスタジオ主導による製作体制に苦しめられ、思うように映画を作れなくなっていた。ハリウッドで撮りたいものを撮るなら、製作の自由を得るための政治力が必要だ。幸いにも『ブロークン・アロー』はアメリカでヒットを飛ばし、1億ドル以上の利益を上げたことからウーの株は上がっていた。


 ハリウッドの大作ではスターの発言権も大きいが、同作ではジョン・トラボルタという強い味方を得た。そんな時期に、ウーは『フェイス/オフ』の脚本と出会う。




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