ドキュメンタリー映画『BELUSHI ベルーシ』 とあわせて知っておきたい”もう一つの”ベルーシ伝説

『BELUSHI ベルーシ』あらすじ

コメディ番組「サタデー・ナイト・ライブ」、そこから派生した映画『ブルース・ブラザース』(80)のジェイク役など、破天荒だが憎めないキャラクターで多くの人に笑いを与えた故ジョン・ベルーシ。本作は、アメリカ・イリノイ州で育った幼少期から、コメディアン、ミュージシャン、俳優として成功をおさめるも人気絶頂の1982年に33歳という若さで薬物の過剰摂取により亡くなるまで、アメリカン・コメディ界で輝き続けた天才ベルーシの、嵐のように駆け抜けた短くも強烈な生涯を、愛ある目線で辿っていくドキュメンタリー。当時、アメリカで老若男女幅広い世代に愛された才能あるエンターテイナーは華々しい成功や偉業の裏で何を感じていたのか。

Index

• 伝説の喜劇人、ジョン・ベルーシ
• 日本の主要紙でも報じられたベルーシの死
• 『ゴーストバスターズ』の一人目になるはずだった男
• スピルバーグを魅了しつつも、怒らせた男
• みんなベルーシのことが好きだった

伝説の喜劇人、ジョン・ベルーシ

　70年代末生まれの筆者が物心ついた時、すでにジョン・ベルーシはこの世にいなかった。なので自分は、ギリギリ間に合わなかった世代、と言えるのかもしれない。だが映画好きであれば、その後の人生のあちこちで『ブルース・ブラザース』(80)に触れる機会は多いわけで、他にもスピルバーグがどん底を経験した『1941』(79)や、若者間で人気を博した『アニマル・ハウス』(78)、さらに伝説的コメディ・ショー「サタデー・ナイト・ライブ」の逸話からも逃れることはできない。そのすべてにベルーシが関わっていて、今なおこれらの名作を紐解きさえすれば、我々は彼の遺した爪痕を生々しく味わえるのである。

　果たしてジョン・ベルーシとは何者だったのか。

『BELUSHI ベルーシ』予告

　ドキュメンタリー作品『BELUSHI ベルーシ』（20）は、後追いで彼のことを知ろうとする”間に合わなかった世代”にとって最適の入門篇であるし、彼を知っている世代の方にとっては、カメラの前の破天荒さとはまた別の素顔を垣間見れる、絶好の機会となるはずだ。

日本の主要紙でも報じられたベルーシの死