ヒロインアクションの立役者が果敢に参戦!
ヒロイン、アリスに起用されたミラ・ジョヴォヴィッチはオーディションによって選ばれた。『ブルーラグーン』などのハリウッド映画に主演するもアメリカでブレイクしきれていなかった彼女は、むしろヨーロッパで『フィフス・エレメント』(97)『ジャンヌ・ダルク』(99)などのリュック・ベッソン作品で注目されていた。アンダーソン監督は「ミラと会って、すぐにアリスだと直感した。他の候補者のリストは捨てることになったんだ」と振り返る。
アリスというキャラクターは童話「不思議の国のアリス」から借用されている。ただし、『バイオハザード』で描かれる不思議の国に、ドリーミーなファンタジーの要素はない。むしろ悪夢だ。元の世界に戻るには、この世のものとは思えないモンスターと戦って、戦い続けて、生き残るしかないのだ。
『バイオハザード』(c)Photofest / Getty Images
ゲーム『バイオハザード』のファンだった弟を喜ばそうと思い、出演を決意したというミラは多くの危険なスタントをみずからこなした。俳優を危険に晒すことに組合が口を出してくるハリウッド映画では、これは簡単に実現できることではない。“小さなヨーロッパ映画”だからこそ、可能だったのだ。真冬のドイツでの撮影に、ミラは薄着のコスチュームで演技をし、ビショ濡れになり、キズと痣だらけになりながらアクションに挑んだ。「ミラは何でも自分でやろうとする。それは有難いことだったが、この後の撮影のスケジュールも組まれているので、僕から“もう止めてくれ”と頼むほどだった」と監督は語る。