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『パリ13区』ジャック・オディアールと二人の女性映画作家が描いたのは、正統派のロマンティック・コメディ

© ShannaBesson ©PAGE 114 - France 2 Cinéma

『パリ13区』ジャック・オディアールと二人の女性映画作家が描いたのは、正統派のロマンティック・コメディ

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『パリ13区』あらすじ

台湾系フランス人のエミリー(ルーシー・チャン)。彼女は大学で政治を学んだものの今はコールセンターでオペレーターとして働いている。エミリーの新しいルームメイトとなるのは、高校教師だが資格試験のため休職中のカミーユ(マキタ・サンバ)。そしてカミーユは、大学に進学しようとボルドーからパリへ上京してきたノラ(ノエミ・メルラン)と出会う。さらに元ポルノスターでカムガールの“アンバー・スウィート”(ジェニー・ベス)を加え、一見接点のなさそうな4人の運命が交錯する。


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セックスと会話による恋愛劇



 ゆっくりと移動するカメラは、幾何学模様に設計されたアーケードと通路を真上から映しだす。横には巨大な集合住宅が立ち並ぶ。モノクロで撮られたその光景は、まるで宇宙基地のようにも見える。やがてカメラはそのうちの一軒に近寄ると、どこからか聞こえる中国語の歌に導かれるように、窓の外から部屋を順々に眺めていく。しかしカットが変わると、カメラはすでにマンションの一室に侵入し、アジア系と見られる若い女が裸のまま歌う姿を間近で捉えている。続いて画面の外から男の声が聞こえ、二人の会話がスタートする。


 ジャック・オディアール監督の最新作『パリ13区』は、そのタイトル通り(原題は「Les Olympiades」)、パリ13区のオランピアード地区を舞台にした恋愛映画。冒頭で映されていた光景こそオランピアードだ。とはいえ、街から部屋の中へ、そしてそこに住むある人物の顔と体へと移行する様子を見れば、この映画の基本方針は明らかだ。主役は「街」そのものではなくそこに住む「人物」であり、そこでは「肌」と「声」が重要なテーマとなる。人々の肌と声を生かしたドラマ、つまりセックスと会話による恋愛劇が展開されるというわけだ。



『パリ13区』© ShannaBesson ©PAGE 114 - France 2 Cinéma


 主な登場人物は4人。冒頭に登場したのは、台湾系フランス人のエミリー(ルーシー・チャン)。彼女は大学で政治を学んだものの今はコールセンターでオペレーターとして働いている。エミリーの新しいルームメイトとなるのは、高校教師だが資格試験のため休職中のカミーユ(マキタ・サンバ)。そしてカミーユは、大学に進学しようとボルドーからパリへ上京してきたノラ(ノエミ・メルラン)と出会う。さらに元ポルノスターでカムガールの“アンバー・スウィート”(ジェニー・ベス)を加え、一見接点のなさそうな4人の運命が交錯する。




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