産毛まで緻密に表現!4Kデジタルリマスターの凄さ
『ターミネーター2 3D』の新体験感は3Dだけではない。実は4Kデジタルリマスターによる高画質化こそが本作鑑賞の醍醐味といってもいいのかもしれない。次元の違う鮮明さで描写されており、ごく最近撮影されたかのよう。アーノルド・シュワルツェネッガーが裸で登場するお馴染みのシーンでは、何と彼の身体に生える産毛まで見えてしまう。美しく鍛え上げられたリンダ・ハミルトンが病棟で懸垂をするシーンでは、彼女の二の腕に浮かぶ汗の玉の輪郭もはっきり見え、エドワード・ファーロングのあのやたらと長い前髪のサラサラ感もしっかり味わえる。
映像の高画質化。それはかつて見た記憶を呼び起こすというよりも、3Dと相まって映像体験として違う段階に運んでくれる感覚に近かった。キャメロンは本作に対して「劇場ですべてを体験してほしい」というコメントを残している。”体験”、まさにこの言葉に相応しい作品であった。最後に、キャメロン監督の次作は『アバター』の続編と考えられているが、続編でも驚きの技術を披露してくれるようだ。なんとメガネなしで3D映像が楽しめるようになるらしい。こちらも非常に楽しみだ。映像革命を起こし続けているキャメロン監督が満を持して放った『ターミネーター2 3D』。ぜひ堪能、体験してほしい。
文: 久美雪