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『プレデター:ザ・プレイ』精緻な考証や現代的テーマが導くSFアクションの新たな可能性

(C)2022 20th Century Studios

『プレデター:ザ・プレイ』精緻な考証や現代的テーマが導くSFアクションの新たな可能性

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第1作への原点回帰



 『プレデター』は1987年の第1作以来、シリーズだけでも4作、スピンオフとして『エイリアンVSプレデター』(04)など2作がリリースされ、コミックでも様々な物語が展開。まさに屈指の人気シリーズとして、プレデターユニバースともいえる世界観を成すまでに至っている。


 「人類を狩るために飛来するハンター型異星人との戦い」という侵略SFとは一線を画すユニークな設定、さらにモンスターとしてのプレデターのデザインが人気を支えてきたわけだが、近年ではシリーズものの宿痾としてのマンネリ感を個人的にはおぼえないでもなかった(ファンはそのマンネリを愛するわけだが)。しかし、最新作である『プレデター:ザ・プレイ』(22)は、「狩るものと狩られるもの」というプレデターが孕むシンプルな構造に多層的な意味を内包させることで、今までのシリーズが持ちえなかった深みを獲得することに成功した。


『プレデター:ザ・プレイ』予告


 舞台は1719年のアメリカ。主人公はネイティブ・アメリカン、コマンチ族の少女ナルだ。彼女は兄のような優れたハンターになることを夢見ていた。そんなナルの前にプレデターが出現するーー。ネイティブ・アメリカンの少女とプレデターの戦いは単に奇をてらったものかというとそうではなく、まずはその設定自体がシリーズの原点回帰となっていることに注目したい。


 第1作『プレデター』では、プレデターと特殊部隊がジャングルで戦いを繰り広げたが、ラストではダッチ(アーノルド・シュワルツェネッガー)が手製の槍や弓だけでプレデターとタイマン勝負に出る。その様は、古代の人類が邪悪な神に戦いを挑むかのような趣さえあった。『プレデター:ザ・プレイ』はこの第1作のクライマックスを拡張し、1本の作品にしたかのようだ。原初の人間が、野生動物のように研ぎ澄まされた本能と知覚、戦闘力を駆使し、邪神プレデターに挑む…。シリーズを重ねるごとに様々な設定が付加されたプレデターの作品としての装飾をそぎ落とし、究極にシンプルなコンセプトを貫いた。そのような作品が、人類が語り継いできた英雄神話に似た構造を持つのは必然だったのかもしれない。




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