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『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』ワイスピ的ウルトラCを堪能せよ!これは奇跡かご都合主義か⁉※注!ネタバレ含みます。

© Universal Studios. All Rights Reserved.

『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』ワイスピ的ウルトラCを堪能せよ!これは奇跡かご都合主義か⁉※注!ネタバレ含みます。

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シリーズ完結に向けて登場する重要キャラは?



 そして『ファイヤーブースト』最大のサプライズとして、ミッドクレジットシーンで電撃復帰を果たしたのが、「復帰は絶対にない」と公言していたロック様ことドウェイン・ジョンソン。プロデューサー兼主演のヴィン・ディーゼルとの確執と和解についてのややこしい詳細はあちこちで報道されているので省くが、ロック様演じるホブス捜査官は今回の敵ダンテの復讐とは切っても切れないキャラで、そもそもホブス不在のまま物語を進めるのは無理があり、ロック様の前言撤回は喜ばしい限りである。


 ロック様演じるホブス捜査官の復帰構想は一過性のものではないようで、2025年4月全米公開予定の『ファイヤーブースト』続編の前に、ホブスが主人公の単独作が公開されることが発表されている。同作では『TOKYO DRIFT』から『ICE BREAK』までの6作と、スピンオフの『スーパーコンボ』の脚本を手がけたクリス・モーガンが復帰することも、ワイスピファミリー再結集の一環として歓迎したい。


 ダンテ(ジェイソン・モモア)が、ドミニクとその仲間たちだけでなく、過去の協力者まで狙っていたと判明するシーンでは、セミレギュラーのレオ(テゴ・カルデロン)とサントス(ドン・オマール)、ヘレン・ミレン扮するクイーニーらと並んで、『ワイルド・スピードX2』(03)に登場したFBI捜査官モニカ・フェンテス(エヴァ・メンデス)の写真も映る。


 今回は写真だけとはいえ、モニカの登場は『MEGA MAX』のポストクレジットシーン以来三度目。近年のエヴァ・メンデスは子育てを優先して俳優業から遠ざかっているが、監督の続投が決まっているレテリエにはファン魂で彼女のこともぜひ呼び戻してもらいたい。



『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』© Universal Studios. All Rights Reserved.


 また次回作への期待として、ずっと噂されているドミニクやミアの母親が登場するかも知れない。これまでもトレット家に関しては不思議なくらい母親について語られることがなく、これもサプライズの前フリだと考えることができる『ファイヤーブースト』では、秘密組織エージェンシーの秘密会議で、ドミニクたちを処分すべきかどうかで票決が撮られるシーンがあった。その時にわずかに反対票を投じた中に、ロサンゼルス代表らしき女性のシルエットが映っている。もしかするとあの女性はトレット家の縁者かもしれないと、筆者の予想のひとつとして記しておきたい。


 ただし、製作陣がファンサービスばかりに注力しすぎると、お祭り度は増してもシリーズを通じてのストーリー部分やキャラクターの整合性が弱くなり、ご都合主義についていけないというファンも増えるだろう。まさに『ファイヤーブースト』が、そんな落とし穴に半分片足を突っ込んでしまっているともいえる。破天荒でバカバカしい楽しさはそのままに、シリーズ完結に向けてどこまでドラマ部分を深められるのか。ルテリエと製作チームに課せられたミッションは軽くはない。天井知らずの豪快アクションと熱いエモーションを両立させるワイスピ的ウルトラCを完遂してくれることを祈りたい。


参考資料:

https://www.hollywoodreporter.com/movies/movie-features/fast-x-post-credit-scene-dwayne-johnson-1235496010/

https://www.insider.com/fast-x-louis-leterrier-interview-2023-5/



取材・文:村山章

1971年生まれ。雑誌、新聞、映画サイトなどに記事を執筆。配信系作品のレビューサイト「ShortCuts」代表。




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『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』

大ヒット上映中

配給:東宝東和

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