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『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』ワイスピ的ウルトラCを堪能せよ!これは奇跡かご都合主義か⁉※注!ネタバレ含みます。

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『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』ワイスピ的ウルトラCを堪能せよ!これは奇跡かご都合主義か⁉※注!ネタバレ含みます。

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※本記事は物語の結末に触れているため、映画をご覧になってから読むことをお勧めします。


『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』あらすじ

ドミニクはレティと息子ブライアンの3人で静かに暮らしていたが、彼らの前に未だかつてないほどの破壊的な敵が現れる。ダンテは昔ドミニクたちがブラジルで倒した麻薬王レイエスの息子であり、家族も未来も奪われた代償を払わせるため、復讐の炎を10年間燃やし続けていたのだった。ダンテの陰謀により散り散りに仲を引き裂かれる“ファミリー”たち。そしてドミニクが愛する全ての者を奪おうとするダンテが最後に向けた矛先は……果たしてファミリーの運命は!?


Index


撮影開始一週間で激動の監督交代!



 2001年から続く大ヒットシリーズの10作目にして、シリーズ完結編の第一部だとされている『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』(23)。これまでもいくつもの困難に見舞われてはウルトラC的な力技で克服してきたワイスピだが、今回は序盤からビッグなトラブルにブチ当たった。撮影開始から約一週間で、監督のジャスティン・リンが降板してしまったのだ。


 ジャスティン・リンは第三作の『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』(06)で初登板し、シリーズ歴代最多の5本を監督した重要人物。いや、最多という以前に、ワイスピを2本以上監督したのは現時点でリンしかいない。前作『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』(21)で復帰したのも「シリーズの幕引き役を務められるのはリンしかいない!」というファンも納得の理由からだった。


 そのリンがなぜ撮影中に離脱してしまったのか? 主演兼プロデューサーであるヴィン・ディーゼルの現場の態度に業を煮やして、という報道もあったが、リンの口から詳細は明かされていない。とにかく製作陣は代わりの監督探しをスタートさせるも、日々、巨額の製作費が消えていく超大作の撮影を止めることはできなかった。「秘密組織の極秘基地」(本当に字幕でこう書かれているのがスゴい)でシャーリーズ・セロンとミシェル・ロドリゲスがボコり合うタイマンバトルは『ファイヤーブースト』の見せ場のひとつだが、まさにこの監督不在の間に撮影されたという。



『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』© Universal Studios. All Rights Reserved.


 新監督には、ジェームズ・ワン、F・ゲイリー・グレイ、デヴィッド・リーチら過去にシリーズに参加した面々が検討されたが、彼らにしても突然スケジュールを空けるのは至難の業だった。そこで『トランスポーター』(02)シリーズやMCUの『インクレディブル・ハルク』(08)を手がけたフランス人監督ルイ・ルテリエの名前が浮上する。ルテリエは責任の重さに躊躇したというが、妻の後押しもあってオファーを請けることを決意。ジャスティン・リンが降板した6日後には、早くもルテリエの監督就任が発表されていた。


 監督を降りたジャスティン・リンは共同脚本としてクレジットされており、プロデューサーとしても名前を残していた。リンは全スタッフに「自分に気兼ねすることなく仕事をしてほしい」と申し送り、長年ワイスピを手がけてきたチームはそのまま新監督をサポートすることになった。


 ルテリエがこれまでの監督と違っていたのは、ただのリップサービスでなく、ガチのワイスピファンだったこと。ルテリエは出世作の『トランスポーター』を撮り終わった直後に、主演のジェイソン・ステイサムと一緒に一作目の『ワイルド・スピード』(01)を観に行ったと回想している。二人はワイスピに大興奮し、いつかこういう映画を撮りたいねと語り合ったという。そして運命はめぐり、ルテリエとステイサムはワイスピの現場で再会することになったのだ。


 ルテリエはジャスティン・リンが監督した『ワイルド・スピードMEGA MAX』(11)が一番のお気に入りで、『MEGA MAX』の敵だった麻薬王レイエス(ジョアキム・デ・アルメイダ)の息子ダンテ(ジェイソン・モモア)が復讐にやってくるというプロットにも惹きつけられた。スケジュールが差し迫っていたこともあり、リンが残したプランは可能な限り採用したが、クライマックスの第三幕を撮る予定だったロケーションが使えなくなり、撮影と同時進行で、寝る間を惜しんで第三幕をほとんど書き直した。




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