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『コングレス未来学会議』AIが生み出すデジタル俳優、その功罪(後編) ※注!ネタバレ含みます

(c)Photofest / Getty Images

『コングレス未来学会議』AIが生み出すデジタル俳優、その功罪(後編) ※注!ネタバレ含みます

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あらすじ③



 さらに20年後。ロビンが解凍されると、ディランが面会に来た。そして「アーロンがどこへ行ってしまったのか分からない」と言い、彼を探す旅に出る。病院の外には奇妙に蠢く森が広がっており、それを抜けるとニューヨークの空中庭園が現れる。そこには多くの人たちがひしめいており、皆が思い思いの姿になっていた。そこの薬局で、ロビンはミラマウント・ナガサキが開発した、“頭の中で自由な選択が可能になる薬”を摂取する。すると腕が翼のようになり、彼女はディランと飛び立つ。


 途中でロビンたちは、ヒエロニムス・ボスが描いた「快楽の園」のような、自然主義者のコロニーを見付ける。ディランはそこに娘サラがいると教えたが、「互いの姿を見ても分からないだろう」と言って、会いに行きたがるロビンを引き留める。サラは、子供を生み続ける選択をしたのだ。


 さらに飛び続けると、思い出深い空港が見えて来る。そこには、アーロンがいつも飛ばしていた赤い凧が落ちていた。ロビンとディランがそれを揚げると、飛行機に衝突して炎上し、さらに空港に駐機していた機体に燃え広がってしまう。その炎を背景に、二人は愛を交わす。



『コングレス未来学会議』(c)Photofest / Getty Images


 やがて二人が豪華なホテルのレストランに入ると、マイケル・ジャクソンのウェイターが料理を運んでくる。「この世界の外がどうなっているか知りたい」というロビンに、ディランは「ミラマウントを退職する時にもらった」という薬のカプセルを口の中から取り出す。そして「それを服用すれば現実に戻れるが、1錠しかないからこの世界へは戻ってこられない。君とは永遠の別れになる」と引き留める。しかしロビンは、「向こう側の世界の方が、アーロンに会える可能性が高い」と言い、すばやく薬を服用してしまう。するとディランは「君に本当の僕を見られたくない。今の姿だけを覚えておいて欲しい」といって、彼女がその場を去るように願う。それを受け入れたロビンは、多くの人がひしめくホテルの廊下を進んで行く。人々の視線は冷たく、あのゲートに立っていた係官も彼女を睨んでいた。


 そしてその人々は、ボロを纏った実写の人物へと変わり、豪華なホテルは荒廃したスラムへと変貌した。誰もが生気なく立ち尽くしており、ロビンはこれが薬を飲んだ人々だと悟る。しかしそのロビン自身も、ホームレスのような老婆になっていた。


 ロビンは、落書きで覆われた路面電車に乗って空港に向かう。そこには、支配者階級が暮らす“上の世界”(飛行船)に向かうゴンドラがあった。その世界に到達したロビンは、そこでアーロンの主治医ベイカーに再開した。そしてアーロンに関する、衝撃的な事実を告げられる…。




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