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『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』を生み出した映像革命とは?その最新技術に迫る(前編)

(C) 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』を生み出した映像革命とは?その最新技術に迫る(前編)

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『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』あらすじ

神秘の星パンドラの一員となった元海兵隊員のジェイクは、ナヴィの女性ネイティリと家族を築き、子供たちと平和に暮らしていた。再び人類がパンドラに現れるまでは…。神聖な森を追われた一家は、“海の部族”の元へ身を寄せる。だが、この美しい海辺の楽園にも、侵略の手は迫っていた…。



 現在公開中の『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』(以下WoW)は、HFR(ハイフレームレート)+HDR(ハイダイナミックレンジ)+3Dという上映が試みられ、最新のCG技術(手垢が付いた表現だが、文字通り新技術が満載である)が駆使された、本当の意味で最先端の映像技術が体験できる。3時間12分という上映時間を心配する人も多いかもしれないが、60代の筆者でも長さは感じず、むしろ早く続きが観たい気持ちが勝ってしまった。


 前編となる今回は、プロダクションデザイン、パフォーマンス・キャプチャー、HFR撮影などを解説する。


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パンドラ・ワールドのデザイン



 12月10日に行われた来日記者会見で、ジェームズ・キャメロン監督から発表されたことは、『アバター』シリーズが5作目まで構想されているということだ。そしてシリーズを通して舞台となる、パンドラという衛星がどのような世界なのか。今回の海の他、砂漠や山岳部、極地…そこで暮らすキャラクターやその文化、生息するクリーチャー、景観などの設定を、全て準備しているという。


 このパンドラ・ワールドのデザインを手掛けたのは、ディラン・コール・スタジオを運営するコンセプトアーティストのディラン・コールだ。これまで『タイムマシン』(02)を皮切りに、『アバター』(09)や『トロン:レガシー』(10)、『アリス・イン・ワンダーランド』(10)、『オズ はじまりの戦い』(13)、『マレフィセント』(14)、『アリータ:バトル・エンジェル』(19)などで、数々の異世界の様子を視覚化させてきた人物である。



『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』(C) 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.


 『アバター』では、森のナヴィ(パンドラ人)であるオマティカヤ族が暮らす密林や、イクランと呼ばれる翼竜に乗った空が主な舞台だった。今回の『WoW』では、主人公ジェイク(サム・ワーシントン)たちの家族が、復讐に燃えるクオリッチ大佐(スティーヴン・ラング)から逃れて、新たにメトカイナ族の集落に身を寄せる。彼らは海洋部族であるため、日々の多くを海の中で暮らしているという設定だ。今回コールは、メトカイナ族のナヴィの姿や、海岸の集落、海洋生物、その他の自然環境に関するあらゆるものを、細部に至るまで見事にデザインしている。


 一方で、人類側であるRDA(資源開発公社)の宇宙船や兵器、巨大重機、パワードスーツ、各種船舶、研究施設内部、モニターグラフィックスなどは、『アバター』や『トランスフォーマー』シリーズ、『トロン:レガシー』、『プロメテウス』(12)、『エンダーのゲーム』(13)といった作品のプロダクションデザイナーを手掛けてきた、ベン・プロクターが務めている。だが、キャメロン自身がバリバリのメカデザイナーでもあるため、彼のプレッシャーは半端ではなかっただろう。実際『WoW』に登場する、巨大水中翼船のシー・ドラゴンや、水中作業用クラブスーツのデザインは、キャメロン臭が強く感じられる。




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