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『コングレス未来学会議』AIが生み出すデジタル俳優、その功罪(後編) ※注!ネタバレ含みます

(c)Photofest / Getty Images

『コングレス未来学会議』AIが生み出すデジタル俳優、その功罪(後編) ※注!ネタバレ含みます

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アニメーションを手掛けたスタジオ



 フォルマンはヨーロッパを中心とした、6つのスタジオにアニメーション制作を依頼した。それはポーランドの「Orange Animation」、ルクセンブルクの「Studio 352」、ベルギーの「Walking the dog」、ベルリンの「Bitteschön.tv」、ハンブルクの「Studio Rakete」、そしてフィリピンの「Snipple Animation Studios」である。「Studio 352」は、日本でもファンの多いアイルランドの「Cartoon Saloon」と組むことが多い優秀な会社であるし、「Walking the dog」は『アンネ・フランクと旅する日記』を手掛けたスタジオだ。


『アンネ・フランクと旅する日記』予告


 40年後の現実世界は、閉鎖されたベルリン・テンペルホーフ空港跡地などで撮影された映像に、フランスの「Mikros Image」(現在はMPCに統合)が3DCGの飛行船などをコンポジットして表現している。


 映画の終盤は、それまでの躁病的な雰囲気が一変し、何とも物悲しくやり切れない展開になっていく。これほど優れた映画が、埋もれた存在になっているのは非常に残念なことだ。



文:大口孝之(おおぐち たかゆき)

1982年に日本初のCGプロダクションJCGLのディレクター。EXPO'90富士通パビリオンのIMAXドーム3D映像『ユニバース2~太陽の響~』のヘッドデザイナーなどを経てフリーの映像クリエーター。NHKスペシャル『生命・40億年はるかな旅』(94)でエミー賞受賞。VFX、CG、3D映画、アートアニメ、展示映像などを専門とする映像ジャーナリストでもあり、映画雑誌、劇場パンフ、WEBなどに多数寄稿。デジタルハリウッド大学客員教授の他、女子美術大学専攻科、東京藝大大学院アニメーション専攻、日本電子専門学校などで非常勤講師。主要著書として、「3D世紀 -驚異! 立体映画の100年と映像新世紀-」ボーンデジタル、「裸眼3Dグラフィクス」朝倉書店、「コンピュータ・グラフィックスの歴史 3DCGというイマジネーション」フィルムアート社



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