Index
- サンダンスの観客を大いに驚かせた奇想天外な異色作
- 緻密に計算された冒頭15分。それを仕掛けたコメディアンたち
- 中学時代からの親友同士がネットで巻き起こした快進撃
- 映画の内容とリンクする、「映画、撮ろうぜ!」スピリット
サンダンスの観客を大いに驚かせた奇想天外な異色作
2017年1月。サンダンス映画祭のプレミア上映にて一本の映画が初披露された。トレードマークは着ぐるみの可愛らしいクマさん(当日のレッドカーペットにも登場)。主人公はモジャモジャ頭に分厚いメガネの青年で、それになぜか『 スター・ウォーズ』シリーズでおなじみのマーク・ハミルといった大御所まで登場する。
会場となったエクルズ・シアターに集いし観客たちは、これが一体どんな映画なのかほとんど情報を摂取しないままこの奇想天外な映画に身を投じ、「最初の15分間」で仰天させられ、そこから連なるおかしくも感動的な人間ドラマに心を揺さぶられることとなった。
結果、会場は大きな拍手に包まれ、高い評価を獲得。すぐさま配給権獲得に名乗りを上げたソニー・ピクチャーズ・クラシックスによって500万ドルという高値で契約が結ばれた。もちろんこれは制作費よりも遥かに高額の域だ。かくしてこの映画の作り手たちは、一般公開を迎える前から大きな成功を手にしたのである。