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『プリティ・リーグ』ペニー・マーシャルが描く女子だけの野球リーグ

(c)Photofest / Getty Images

『プリティ・リーグ』ペニー・マーシャルが描く女子だけの野球リーグ

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女子野球の知られざる歴史



 マーシャル監督は、当時<ニューヨーク・タイムズ>に掲載されたインタビューで、企画の始まりについてこう語っている。


 「私自身はこれまで自分の監督作で女性の問題を正面から取り上げたことはなかった。そういう作品を撮ることが大事で、ぜひ作らなければ、と思った。ここでは自分の才能を認めることの大切さも描かれている。これはすごく普遍的なテーマだわ」


 マーシャルは87年にテレビで放映されたドキュメンタリー“A League of Their Own”(『プリティ・リーグ』の原題)を見て、かつてプロの女子野球のチームがアメリカに存在していたことを知り、興味を持った。オール・アメリカン・ガールズ・プロフェッショナル・ベースボール・リーグ(略称・AAGPBL)は1943年に設立されて54年まで続いた。この番組には、かつてのチームメイトたちが再会する場面で始まり、ニュース映像やインタビューを通じて、当時の女子野球の選手たちの活躍ぶりが伝わる。ただ、この番組が放映された80年代には多くの人がAAGPBLの存在をすでに忘れていて、マーシャルもそうしたチームがあったことを知らなかったという。


 この番組にインスピレーションを受けたマーシャルは、さっそく番組クリエイターのケリー・キャンデエルとキム・ウィルソンに連絡を取り、映画化の話を進めることになった。20世紀FOXで話が進んでいたが、途中からコロンビア映画の製作となった。



『プリティ・リーグ』(c)Photofest / Getty Images


 主人公のドティ役に最初に興味を示したのがデミ・ムーア。しかし、企画を進めていた途中で妊娠していることが分かり、出演は不可となる。そこで次の候補者となったのがデブラ・ウィンガー。キャッチャーという役柄のため、シカゴ・カブスで訓練も受けたが、撮影に入る4週間に前に役を降りた。歌手のマドンナも出演することを知り、共演を快く思わなかったせいらしい。


 結局、『偶然の旅行者』(88)でアカデミー助演女優賞を受賞し、『テルマ&ルイーズ』で同賞の主演女優賞候補となったジーナ・デイヴィスが主人公を演じることになった。彼女が演じた役は実在したピーチズの選手、ドロシー・カメンシェックをモデルにしている。劇中でジーナが演じる人物はワンシーズンで選手をやめてしまうが、実在のドロシーは10シーズン出場したという。彼女はキャッチャーではなく、一塁や外野を守っていて、“最良の一塁手”と呼ばれたこともあった。


 監督のジミー役はトム・ハンクスが演じているが、『ビッグ』でもマーシャル監督と組んでいたハンクスは自ら出演を希望し、飲んだくれの自堕落な元人気プレイヤーという設定のため、30ポンド太って役に挑んだ。ジミー役はジミー・フォックスとハック・ウィルソンという実在のプレイヤーをモデルにしている。フォックスは選手時代に534本のホームランを打っているという。


 USC(南カリフォルニア大学)のアシスタント・ベースボール・コーチのビル・ヒューズがテクニカル・アドバイザーを務めることになり、出演者たちは映画のために3カ月の特訓を受けた。


 ドラマのクライマックスでは、ピーチズとラシーン・ベルズの優勝争いが描かれるが、43年にピーチズは実は優勝争いにはからんでおらず、ここは映画だけの脚色となっている(ただ、実在のピーチズはこれまで4回、優勝したことがある)。





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