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『プレデター:バッドランド』悪名高き異星生物がついに愛されキャラに!? シリーズ新機軸を味わう
2025.11.10
『ロード・オブ・ザ・リング』にも通じる異世界冒険談
デクの行く手には、とんでもないクリーチャーが次々と立ちはだかる。この異星生物の造形も面白い。ツタのような触手を持つ樹木のようなものから、爆弾と化す植物、4本足で木から木へと飛び移るタコ型のもの、翼竜タイプ、さらには恐ろしく巨大な捕食生物まで、じつに多彩。これらと対峙しなければいけないデクの冒険は、まさに危機の連続で、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのようなファンタジーアドベンチャーを想起させる。
人間のキャラクターがひとりも登場しないとはいえ、プレデターやアンドロイドといったキャラクターを演じているのは生身の俳優だ。デクを演じたディミトリウス・シュスター・コロアマタンギはニュージーランド出身の新進俳優兼、スタントマン。特殊メイクを施しての出演だが、感情の起伏をジェスチャーや仕草で伝える演技に加え、身体能力を生かしたアクションで観る者の目を引き付ける。

『プレデター:バッドランド』© 2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.
ティアを演じたエル・ファニングは、本作でもっとも名の知れたキャストだろう。『マレフィセント』シリーズのプリンセス役を記憶している人は少なくないし、最近では『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』(24)での演技も好評を呼んだ。アンドロイドのティアは知識豊富でおしゃべりで、なおかつ異星の言語をも理解する、いわば女性版C-3PO。それでいて、搭載AIにはわずかではあるが人間的な感情を学習する能力を備えている。それが物語を面白くするのだが、ときに機械的、ときに人間的なキャラクターをチャーミングに演じたファニングの演技は、まさしく見どころ。ちなみに彼女は、性能が異なるもう一体のアンドロイドの2役を演じ分けてもいる。