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『これって生きてる?』ブラッドリー・クーパー監督が、親密な目線でコンパクトに紡ぐ人間ドラマの快作

©2026 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.

『これって生きてる?』ブラッドリー・クーパー監督が、親密な目線でコンパクトに紡ぐ人間ドラマの快作

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 過去にアカデミー作品賞ノミネートを果たした『アリー/スター誕生』(18)『マエストロ:その音楽と愛と』(23)に比べると、同じブラッドリー・クーパーによる監督3作目『これって生きてる?』(25)は何らアカデミー賞からみの候補入りは果たしていないし、製作規模は小さく、ストーリーもコンパクトにまとまっている。


 だからと言って、これが期待外れの凡作かというと絶対に違う。むしろ私は、グッと日常に寄り添った内容に人間味を感じたし、観客に向けて同じ目線で語りかけようとする姿勢にも惹きこまれた。何よりこの映画は温もりがある。愛情が溢れている。それらが押し付けがましくなく、適度に力の抜けた感度で心地よく沁み渡ってくる。その意味で、クーパー監督作の中でいちばん好き、と感じる方もきっと多いはずだ。



『これって生きてる?』©2026 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.


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スタンダップコメディが日常を変えていく



 物語の舞台はニューヨーク。20年以上も連れ添ってきたアレックス(ウィル・アーネット)とテス(ローラ・ダーン)はいま別れの時を迎えている。決定的な諍いや衝突があったわけではない。しかし20年の蓄積はお互いへ寄せる感情を枯渇させ、その関係性は愛から息苦しいものへと変わろうとしている。二人の幼い息子のために踏みとどまる選択肢もあったのかもしれないが、すでに熟慮を重ね、本作では描かれない長い長い道筋を経た上での冒頭の「別れ」がある。


 案の定、この決断はアレックスにとって痛みを伴うものだった。悶々としながら夜の街を彷徨う中、見つけたのはオリーブ・ツリー・カフェ。そこで気晴らしに一杯、と思ったら、席料が15ドル。でも階下のコメディ・セラーで開催中のオープンマイクに出場すると席料は免除されるという。もののはずみで出場を決意した彼は、なんの準備もなくステージに上がり、観客に向けて自らの「別れの進捗状況」について赤裸々に語り始めるのだが…。




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