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『デッドゾーン』再考 未来を見通すことの“代償” ※注!ネタバレ含みます

『デッドゾーン』再考 未来を見通すことの“代償” ※注!ネタバレ含みます

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ジョニーとスティルソン



 スティーヴン・キングの原作小説では、聖書の訪問販売員から政治家へ成り上がっていくスティルソンの人生とジョニーの人生を並行して描き、遠く離れた二本の線を最終的に交差させる。映画ではボームがその構成を解体し、スティルソンの本格的な登場を後半まで控えている。観客はジョニーの人生を追う果てに、この人気政治家がやがて世界を破滅へ導くことをジョニーと共に知る。


 選挙活動中のスティルソンと握手したジョニーは、大統領となった彼が核攻撃を命じる光景を見る。そしてウィザック博士(ハーバート・ロム)にこう尋ねる。第二次大戦前へ戻り、ヒトラーが何をするか知っていたなら殺すか、と。



『デッドゾーン』THE DEAD ZONE (C) 1983 Dino De Laurentiis Corp.


 ここでジョニーの能力は、それまでとはまったく違う問題を彼に突きつける。看護師の娘やクリスの場合、彼がすべきことは明白だった。危険を知らせ、それを回避すればいい。だがスティルソンの先に見えたのは、核戦争による世界の破滅だ。そしてそれを食い止めるためには、ジョニー自身が暗殺者の汚名を被り、誰にも理解されない行動をたった一人で起こさなければならない。


 ジョニーがライフルを手にする行為は、あまりにも重い。ウィザックが彼の問いに「(ヒトラーを)殺す」と答えたときのやるせない瞬間は、思い出すだけでも胸が張り裂ける。




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