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『ビデオドローム』あなたの“現実”は本当に“現実”? 鬼才クローネンバーグ、40年前の挑発がここに甦る!

©1982 Guradian Trust Company.All Rights Reserved.

『ビデオドローム』あなたの“現実”は本当に“現実”? 鬼才クローネンバーグ、40年前の挑発がここに甦る!

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『ビデオドローム』あらすじ

主人公マックス・レンは、暴力や性を売り物にした映像で台頭しているケーブルTV局の社長。より刺激的なものを追い求める彼は、部下のエンジニアが受信したという海賊局ビデオドロームの映像に魅せられる。暴行、拷問、そして殺人……興味を引かれるも、この映像を見て以来、彼は原因不明の頭痛や幻覚に悩まされるようになる。


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『スキャナーズ』ヒット後、上り調子のクローネンバーグ



 実に8年ぶりとなる新作『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』の日本公開が、2023年夏に迫っているデヴィッド・クローネンバーグ監督。狂気と妄想、恐怖と幻想、エロとグロなどなど、人間のオブセッションを、妥協なき姿勢を貫いて描き続けたカナダの鬼才。その、80歳にしての新作となれば、これは見逃すわけにはいかない。


 これに併せて、もうひとつ注目すべき作品が公開される。クローネンバーグが1983年に放った『ビデオドローム』の4Kディレクターズカット版だ。オリジナル版をすでに見ている方はもちろんだが、もしまだこれを見たことがない方がいたら、ぜひ見てみて欲しい。というのも、本作はクローネンバーグのキャリアを振り返ったとき、きわめて重要といえる意欲作なのだから。



『ビデオドローム』©1982 Guradian Trust Company.All Rights Reserved.


 当時のクローネンバーグは『スキャナーズ』(81)が母国カナダのみならず、アメリカでもヒットを飛ばしたことで、上り調子にあった。それ以前から『シーバース/日喰い生物の島』(75)『ラビッド』(77)『ザ・ブルード/怒りのメタファー』(79)でホラーの俊英としての地位を築いており、次の作品が注目される存在。実際、『ビデオドローム』をカナダで撮影していた途中、ハリウッドからも出資の声がかかったほどだ。結果、同作はハリウッドのメジャースタジオ、ユニバーサルの配給で全米公開されることが決定。クローネンバーグの前途は洋々と思われた、が……。





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