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『アバター:ジェームズ・キャメロン 3Dリマスター』アクションが物語を牽引する、ジェームズ・キャメロンの真髄

(C) 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

『アバター:ジェームズ・キャメロン 3Dリマスター』アクションが物語を牽引する、ジェームズ・キャメロンの真髄

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「白人酋長もの」見事な換骨奪胎



 『アバター』は、遠い未来、地球から遠く離れた惑星パンドラに資源を求めやってきた地球人と、その星の原住民ナヴィとの関係を描く物語。ナヴィの身体をアバターとして遠隔操作し原住民に戦略的に入り込んだ男・ジェイクが、ナヴィと生活を共にするうちに徐々に彼らに共感を覚え、彼らと一緒に地球人の侵略に立ち向かっていく…。いわゆる「白人酋長もの」と言われる定型の物語がベースになっているが、それをSFの世界に置き換えた作品と言えよう。


 環境問題や人種差別、青年の成長譚、そしてラブストーリーと、あらゆる要素が詰め込まれているが、破綻することなく見事にまとめあげられている。『アバター:ジェームズ・キャメロン 3Dリマスター』の上映時間は166分(オリジナル公開版は162分、完全版は178分)。約2時間45分とかなり長いが、その長さを感じさせることはない。ストーリーに力強く牽引され、あっという間に時間が過ぎてしまう。



『アバター:ジェームズ・キャメロン 3Dリマスター』(C) 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.


 ところどころに『風の谷のナウシカ』(84)『もののけ姫』(97)などスタジオジブリの影響が見られたり(影響はキャメロン自身も認めている)、「白人酋長もの」がベースになっているせいか、物語のオリジナリティや平凡さについての指摘もあるが、逆に言えばこれだけベーシックなストーリーを圧倒的なエンターテインメントで換骨奪胎させる手腕はさすがと言えよう。実際に公開後の第82回アカデミー賞では、作品賞や監督賞をはじめ9部門にノミネートされている。(ちなみにそのときの作品賞はキャメロンの元妻であるキャスリン・ビグローが監督した『ハート・ロッカー』(09)。監督賞もビグローが受賞。)




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