(C) 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.
『アバター:ジェームズ・キャメロン 3Dリマスター』アクションが物語を牽引する、ジェームズ・キャメロンの真髄
進化させる上映環境
2009年の上映当時、『アバター』が上映されたIMAXデジタルシアターは日本では4箇所のみ(川崎、菖蒲、名古屋、箕面)。当時の川崎IMAXは連日満員で、チケットを取るのは至難の業だった。数時間かけて菖蒲まで観に行ったのも今では良い思い出だ(菖蒲IMAXは傾斜もありとても良いスクリーンだった!)。それが今や日本全国に40箇所近いIMAXデジタルシアターがあり、ドルビーシネマも増えてきているという嬉しい状況。もちろんこれは『アバター』の大ヒットが大きな要因となっていることは言わずもがな。作品が上映環境を進化・拡大させているという、とてつもない映画であることが分かる良い例だろう。
さて、ここで悩ましいのがどこで観るのか?という問題。IMAXなのかドルビーシネマなのか、はたまた4Dが良いのか。来るべき『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の上映環境を確認する意味でも、今回の『アバター:ジェームズ・キャメロン 3Dリマスター』の上映は非常に良い機会だった。IMAXレーザーとドルビーシネマ両方で鑑賞した立場から言うと、どちらも非常に素晴らしく選択はもはや好みの問題だろう。
『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』予告
IMAXと比べるとドルビーシネマの方が、その特性上より高精細でHDRの効果が強く出ており「3D感」も強い気がしたが、スクリーンサイズや座席との位置関係を踏まえると、より没入感が大きなIMAXの方が個人的には好みだった。しかし両者ともに圧倒的な映像体験を提供してくれることは間違い無く、そこは甲乙つけがたい。4Dは未体験のためなんとも言い難いが、3Dリマスターの本来の意図を堪能する意味でも、IMAXかドルビーシネマどちらかでの鑑賞を強く推奨しておきたい。テレビやスマホでは絶対に味わえない体験があるのは言うまでもない。
『アバター:ジェームズ・キャメロン 3Dリマスター』の上映の最後には『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の特別映像が流れるのだが、これには本当に驚愕した。ナヴィの少年が鯨のような海洋生物と戯れる数分の映像なのだが、これが「現実」にしか見えないのだ。つまりCGだとは全く思えないほどの圧倒的なリアリティがあり、まるで惑星パンドラで撮影してきたネイチャードキュメンタリーのようだ。加えて3DとHFRの効果が最大限に発揮され、まるで水族館の巨大な水槽を見ているかのようでもあった。まさに“そこにいる”のだ。
『アバター:ジェームズ・キャメロン 3Dリマスター』の圧倒的な完成度を体験してしまうと、本当にこれを超えることができるのかと続編に不安を覚えたのも正直なところ。しかしその最後にこれだけ凄まじい特別映像を見せつけられると、そんな不安も吹き飛んでしまった。
2009年当時に世界興行収入1位だった『タイタニック』の成績を自分で塗り替えてしまったジェームズ・キャメロン。きっと彼はまた新たな伝説・映像革命を起こしてくれることだろう。『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』、楽しみで仕方がない。
取材・文:香田史生
CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。
『アバター:ジェームズ・キャメロン 3Dリマスター』を今すぐ予約する↓
『アバター:ジェームズ・キャメロン 3Dリマスター』
3Dにて公開中
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(C) 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.
『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』
12月16日(金)全国劇場公開
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(C) 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.