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挑戦、記録、そして続編へ。果てなき『アバター』の旅を俯瞰する

挑戦、記録、そして続編へ。果てなき『アバター』の旅を俯瞰する


モーション・キャプチャーからパフォーマンス・キャプチャーへ



 パンドラの先住民族ナヴィと、ナヴィと人間のDNAを掛け合わせたアバターを、CGで生き生きと描き出すにはどうしたらよいか。キャメロンが草稿を書いた1990年代半ばには到底不可能だったが、2005~2007年にかけてモーション・キャプチャー技術が向上したことで、俳優の演技を損なわずに取り込むことが現実的になってきた。


 身体の動きを取り込むモーション・キャプチャーを発展させ、俳優の表情や目の動きといった演技(パフォーマンス)を取り込む「パフォーマンス・キャプチャー」を開発し、実用化すること。それが『アバター』のもう1つの主要な挑戦となる。



(C)2013 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.


 キャメロンが考案したのは、役者の顔のすぐ前に小型カメラをつける方法だった。軽量化のため材質にカーボンファイバーを用いたヘルメットを俳優の頭に合わせて作り、そこからアームを伸ばして顔のすぐ近くに広角レンズの小型カメラを設置。俳優の顔にはマーカーを付けて撮影し、唇や顔の筋肉の動きまでを細かくとらえる(なお、全身は別の多数のカメラで撮影)。目は体や頭の動きに関係なく小刻みに動くが、そうした動きも忠実に再現することでリアルな目になった。『アバター エクステンデッド・エディション』に収録されたメイキング映像によると、「パフォーマンス・キャプチャーが映画に用いられたのは初めて」だという。


 パフォーマンス・キャプチャーの撮影の際、俳優はカメラを搭載したヘルメットとボディースーツを着用し、顔と全身にマーカーをつけて演技を行うが、セットは簡素なグリーンバックということも多い。キャメロンは完成形をイメージしながら演出しやすくするため、「バーチャルカメラ」と呼ばれるシステムも導入した。これは、撮影された俳優が瞬時にCGのキャラクター(タイムラグを少なくするため画素数は落としている)に描画され、さらにプリプロダクションでCG制作された森林などの背景やクリーチャーなどと一緒に手元のモニターで確認できるというもの。



 キャメロンがバーチャルカメラを持ち上げ俳優に向けると、モニターにはCGキャラクターがパンドラの環境を背景に映っているというわけだ。これらの最新技術を駆使した演技と演出により、すべてCGで描かれた世界なのに、キャラクターとクリーチャーがリアルに息づき、すぐそばに居合わせているような感覚を観客にもたらす『アバター』の映像が完成したのだった。



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