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『トップガン』ジェリー・ブラッカイマーとトニー・スコットの初タッグが生んだ地上の『スター・ウォーズ』

(C)1986 BY PARAMOUNT PICTURES CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED. TM,(R)&(C)2014 by Paramount Pictures. All Rights Reserved.

『トップガン』ジェリー・ブラッカイマーとトニー・スコットの初タッグが生んだ地上の『スター・ウォーズ』

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色彩にこだわったトニー・スコット



 また、『トップガン マーヴェリック』の予告編を見れば分かるが、空母の甲板に立つパイロットが、オレンジ色の夕陽を背景に、筋肉質の上半身を誇示するシーンも、前作のテイストを受け継いだものだ。『トップガン』にも、リック・ロソヴィッチ等、体自慢たちが、上半身裸でビーチバレーに興じるシーンやロッカールームで語らうシーンがあった。それらは、主要な撮影が終了した後、プロデューサーの指示で女性観客を取り込むために追加撮影されたもの。また、劇中で裸のトム・クルーズが鏡の前に佇むショットは、写真家のブルース・ウェーバーが撮影した、モノクロの男性ヌード写真にインスパイアされたものだと言われる。



『トップガン』(C)1986 BY PARAMOUNT PICTURES CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED. TM,(R)&(C)2014 by Paramount Pictures. All Rights Reserved.


 オレンジ色の空、正確に言うと、地上から空に向けて徐々に白からオレンジ色に変わる印象的なグラデーションは、監督のトニー・スコットが好んで取り入れた色彩演出だ。撮影中、どうしても太陽をバックに戦闘機が離着陸するシーンが欲しかったスコットは、空母の航行の方角をわざわざ変えさせて、希望するショットをものにすることができた。その際、製作側は海軍に航路変更代金として25,000ドル(今のレートに換算すると58,000ドル、約600万円)を支払ったという記録が残されている。


 1980年代、同じCM出身のイギリス人監督たち、つまり、ヒュー・ハドソン、アラン・パーカー、エイドリアン・ライン、そして、実兄のリドリー・スコット等と共に、ハリウッド・デビューを飾ったトニー・スコット。トニーがTVCMでの豊富な経験を映画に投入し、監督としてのキャリアの礎を築いたのが『トップガン』だった。


 トニーは、既存のハリウッド映画に辟易していたジェリー・ブラッカイマーの考えに深く共鳴。結果、2人は『トップガン』を手始めに、『ビバリーヒルズ・コップ2』(84)『デイズ・オブ・サンダー』(90)『クリムゾン・タイド』(95)『エネミー・オブ・アメリカ』(98)『デジャヴ』(06)と、計6本でコラボすることになる。



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