ティモシー・シャラメ出演のオススメ映画(2017~2018)
3.『君の名前で僕を呼んで』(17) 監督:ルカ・グァダニーノ 132分
言わずと知れたシャラメの代表作。風に揺れるまつげでさえ、作品に必要不可欠な要素と断言できてしまうほど、物語に溶け込んでいる。
舞台は、1980年代の北イタリア。17歳のエリオ(ティモシー・シャラメ)は、大学教授である父の手伝いにやってきた24歳のオリヴァー(アーミー・ハマー)と触れ合う中で、これまで抱いたことのない感情を抱くように。やがて彼は、抑えようのないこの気持ちが、真の「恋」だと知る――。
シャラメの唯一無二の輝きは世界的に称賛され、ゲイリー・オールドマン、ダニエル・デイ=ルイス、デンゼル・ワシントンら名優と共に第90回アカデミー賞主演男優賞にノミネートを果たす。シャラメが国際的な人気を獲得した、記念すべき瞬間でもあった。
なお、『君の名前で僕を呼んで』は原作小説の途中までを映像化しており、後半を描く続編製作が予定されている。
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4.『HOT SUMMER NIGHTS/ホット・サマー・ナイツ』(17) 監督:イライジャ・バイナム 120分
『ムーンライト』のスタジオA24の一作。90年代を舞台に、海辺の避暑地を訪れた奥手な男子が、危険な“ワル”へと変貌を遂げていくさまを鮮やかに描いた犯罪青春劇。
主演のシャラメは、冴えない青年が麻薬の売人となり、スリルと欲に取りつかれ、後戻りできない窮地にまで転がり落ちていくさまをエネルギッシュに表現。撮影自体は『君の名前で僕を呼んで』以前のようだが、「完成された未成熟さ」とでもいうべき“危うさ”をビビッドに示している。
行動がエスカレートしていくにつれ、ファッションや纏う雰囲気が如実に影響を受けていくシャラメの“変化”に、ぜひ注目していただきたい。コメディがサスペンスに急展開する凝った構造や、卓越した映像センスも可能性を感じさせる。
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5.『レディ・バード』(17) 監督:グレタ・ガーウィグ 95分
『フランシス・ハ』(12)の女優グレタ・ガーウィグが監督を手掛けた青春コメディ。アメリカの批評サイト「Rotten Tomatoes」では、批評家から絶賛の嵐となり、最高点の新記録を樹立。
アメリカ・サクラメントの田舎でくすぶる女子高生クリスティン(シアーシャ・ローナン)。都会での暮らしを夢見る彼女の、「可愛くない、だが切実な」日常を時に可笑しく、だが胸いっぱいの愛と郷愁で描く。
シャラメは本作で、盟友といえるローナン、ガーウィグと息の合ったコンビネーションを見せつけている。クリスティンの前に現れるモテ男を演じているものの、変なこだわりが随所にあり、格好つけるほどスベるという2.5枚目なキャラクターを好演。
『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のルーカス・ヘッジズも出演しており、若手実力派たちの演技合戦も楽しませてくれる。
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6.『ビューティフル・ボーイ』(18) 監督:フェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲン 121分
シャラメが、重度の薬物依存に苦しむ青年を、驚異的な役への入り込みで演じ切った衝撃的な実話ドラマ。
スティーヴ・カレル扮する父親との関係を軸に描かれており、息子を更生させたい父と、その愛情に気づきながらも症状に屈してしまう息子の姿が、柔らかい映像ながらも痛切につづられていく。
罪悪感を覚えながら、薬物にも父親にも依存してしまうナイーブな息子を、圧巻のリアリティで表現したシャラメは、第76回ゴールデン・グローブ賞の助演男優賞にノミネートされた。
多くの作品で、若さゆえの“過ち”を繊細に表してきたシャラメだが、本作で見せる「自制の利かなさ」の説得力は、群を抜いている。
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