1. CINEMORE(シネモア)
  2. NEWS/特集
  3. 役を抱きしめ共に歩む女優、松岡茉優出演のおすすめ映画10選!
役を抱きしめ共に歩む女優、松岡茉優出演のおすすめ映画10選!

(C) 2020「劇場」製作委員会

役を抱きしめ共に歩む女優、松岡茉優出演のおすすめ映画10選!

PAGES




5.『blank13』(18) 監督:齊藤工 70分


斎藤工が、齊藤工名義で長編映画監督デビューを飾った人間ドラマ。松岡は高橋一生、斎藤工、神野三鈴、リリー・フランキーといった豪華なメンバーとともにキャストに名を連ね、主人公(高橋)の恋人役として、物語に落ち着きをもたらせている。本作で見せる静かだが大人な演技は、松岡の女優としての成熟を感じさせるだろう。


13年前、多額の借金を残し行方をくらました父親(リリー)が、胃がんで入院中と知った家族。彼の余命は、3ヶ月だという。父親の借金返済のために人生をめちゃくちゃにされた次男(高橋)と長男(斎藤)、母親(神野)は複雑な心境のまま、それでも和解の日を迎えることはなく、父親は死去。やがて葬儀の日、参列者たちが語る父親の意外な姿に、息子たちは驚くのだった。


苦い現在と、儚い過去が対比される構造になっているが、本作の面白さはその“先”にある。斎藤の卓越した演出力にうならされる涙色の人情劇かと思いきや、告別式のシーンで展開するのは、笑いをこらえきれなくなるようなギャグ大会。個性が強すぎる参列者の“大喜利大会”が始まるのだが、その後はまたぐっとトーンを落とし、再び哀愁漂う“主流”へと戻すのだ。切なさ→笑い→泣かせるという、観客の心理誘導が突出しており、ラストシーンでは深い余韻に包まれることだろう。


高橋、斎藤、神野の「家族」としての愛憎入り混じった演技は絶品だが、ただ1人“他者”として、壊れた家族全員に寄り添おうとする松岡の存在感は、神聖ささえ感じさせる。物語を成立させるために、不可欠なキャラクターといえるだろう。




PAGES

この記事をシェア

メールマガジン登録
  1. CINEMORE(シネモア)
  2. NEWS/特集
  3. 役を抱きしめ共に歩む女優、松岡茉優出演のおすすめ映画10選!