7.『帝一の國』(17) 監督:永井聡 118分
古屋兎丸による人気漫画の実写化作では、キレのある演技で「総理大臣を目指す」主人公を華麗に演じ切り、大きく飛躍した菅田。野村周平、竹内涼真、間宮祥太朗、志尊淳、千葉雄大、永野芽郁といった若手注目株がひしめくなかでも、座長として強く牽引している。
『海月姫』(14)や『暗殺教室』(15-16)、『銀魂』(17-18)など、漫画の実写映画でも濃いキャラクターを作品の“ノリ”に合わせて演じてきた巧者の菅田だが、本作では「全力投球が美しく、かつ面白い」というシャカリキさを披露。「笑わせようとする」のではなく、結果として観る者をクスリとさせる熱血型主人公を、画面からはみ出しそうなパッションでものにしている。
悪の道に沈んでいく『ディストラクション・ベイビーズ』とは真逆の、夢に向かって上昇し続けるまっすぐなキャラクターがまぶしい(本人は野心家のつもりだが、基本的に馬鹿真面目で“いいヤツ”というギャップも微笑ましい)。
菅田は本作でふんどし一丁で和太鼓を演奏するという名物シーンにも全力で挑んでおり、ピチピチの七三分けとかっと見開いた目力との合わせ技には、思わず笑わされる。菅田と共演陣の楽し気な演技のぶつかり合いも印象的な、爽快娯楽作だ。
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