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【CINEMORE ACADEMY Vol.6】音楽編 映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』の作り方

【CINEMORE ACADEMY Vol.6】音楽編 映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』の作り方

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藤井監督・前田Pr・大間々氏の「音楽が印象的な映画」



Q:大間々さんは、そもそもどんな経緯で作曲家を目指されたのでしょうか。


大間々:近所のおばちゃんがやってるピアノ教室に、姉と一緒に4歳ぐらいから通っていたんです。自分が好きな音楽を先生がピアノアレンジしてくれて、それを弾いてみたり、楽しみながら音楽に触れる幼少期を過ごしていました。


もともとうちの親が映画好きで、ジブリ作品とか、坂本龍一さんが音楽を手掛けた映画をよく観ていました。僕は映画も好きだったんですが、後ろに流れている音楽に興味を持ったんです。映画を観た後に印象に残った曲の楽譜を買って、ピアノ教室に持って行って、映画音楽を弾いて「楽しいなぁ」と思うところからスタートしましたね。


Q:なるほど。


大間々:小学校に入ってからはエレキギターにどハマリして、ヘビメタのバンドで飯を食いたいとかって思ってて(笑)。中高とずっとバンドをやってたんですが、メタルをやっても女の子に全然モテないし、もうちょっと幅広く音楽を学びたいと思って、音楽大学に入りました。そこで、初めてオーケストラという楽器編成を知りましたね。そこからはオーケストラにのめり込んで、勉強するようになりました。


当時は漠然と「音楽を仕事にしたい」と思っていたんですが、考えていく過程で「そういえば映画音楽が昔から好きだったな」と気づき、一気にその方向に向かった感じですね。


うちの父親もジャンルは違えど芸術家(画家)だったので、「食えなくても知らないよ」と言いつつ、すごく応援してくれたので、素直に勉強して今に至ります。




Q:音楽の道に進むことが運命づけられていたような半生ですね……! ちなみに、作曲家として「この映画の音楽が素晴らしい」と思うものはありますか?


大間々:数年前に観た『ムーンライト』(16)でしょうか。音楽がめちゃくちゃ繊細で、音が超少ない。メインテーマがバイオリンとピアノだけで、メロディの音数とかも3音くらいの繰り返しなんです。


そのバイオリンも、ものすごくマイクを寄せて録っているから、ちょっと手が震える音とか、擦れる音とかがダイレクトに入っているんですよ。それが主人公の繊細な心のタッチにめちゃくちゃ乗っていて……。音像というか震え感とか呼吸感が主人公の心情にマッチしてるのが結構面白いなと思いましたね。


あと、古い映画で言うと僕は『エイリアン』(79)の音楽が大好きです。映画自体は結構グロいのに、トランペットのちょっとロマンを感じるような、美しい旋律が流れている。グロテスクでカッコいいホラーアクションに、ああいう音楽をつけるのがすごいですよね。


その他だと、『アベンジャーズ』(12)などの「これがヒーローのメロディだ!」みたいなやつも大好きです。



Q:ありがとうございます。藤井監督と前田さんも、音楽が印象的な映画をぜひ教えてください。


藤井:『エターナル・サンシャイン』(04)の音楽は、今回も結構参考にしましたね。


Q:そうなんですね! これもサントラ持ってます(笑)。


藤井:(笑)。あと、大間々さんに「こういうのを作風的に意識してるんです」って伝えたのが、『ショート・ターム』(13)。今、ぱっと浮かんだのはその2つですね。


前田:私は2作品あって、ひとつはアラン・パーカーの『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』(03)、もう1本は『ソーシャル・ネットワーク』(10)です。


Q:『ソーシャル・ネットワーク』もサントラ持ってます……(笑)。


前田:(笑)。『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』の音楽は、ある種とてもスタンダードなんですが、使い方が上手い。どんどんいろんなことが起きていって、観ている方が振り回される話なんですが、音楽がこっちの心をかき乱す感じがよくて。すごく印象に残っています。


『ソーシャル・ネットワーク』は、冒頭のカメラワークと音楽がすごくて、映像と呼吸するようなシンクロ具合でしたね。



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