清原果耶の主題歌起用に至ったドラマ
Q:貴重なお話、ありがとうございます。「音楽編」の余談として伺いたいのですが、今回は清原果耶さんが主題歌を担当されているとのこと。これは、どういう経緯で決まったのでしょう?
藤井:最初に提案された時に、僕は断ったんです。理由はいくつかあって、主演の清原さんに背負わせすぎなんじゃないかという懸念もあって……。あんまり自分から「清原さん主題歌がいいと思います」とは言えなかったんですが、主題歌を作ってくれたCoccoさんのライブを清原さんと一緒に見に行って、Coccoさんにバトンを渡せると思えたんです。
Coccoさんがライブ中に「いろんなところに逃げたけど、『おかえり』って言ってくれるみんながいるから、Coccoはここで歌えます」といったようなことを言った時に、この映画のテーマとシンクロした気がして。清原さんの歌声がとても素敵なことは知っていましたし、「彼女が全然ウェルカムなんだったら、僕もいいと思います」と伝えました。
最終的にCoccoさんが素敵な曲を作ってくれて、ミュージックビデオも自分たちで撮ることができて、いい感じに決着しました。
主題歌:清原果耶「今とあの頃の僕ら」(カラフルレコーズ/ビクター)
作詞・作曲・プロデュース:Cocco
Q:ミュージックビデオも素敵でした。予告編でも使用されているかと思うのですが、映画の予告編用の音楽も、別途作るものなのでしょうか。
藤井:これは結構映画会社だったり宣伝会社によって全然違うんですが、『ヤクザと家族 The Family』(21)の特報では、劇中の音楽じゃないものを使っています。
『宇宙でいちばんあかるい屋根』は、大間々さんのラストの曲が好きなので、それを特報にしてほしいとお願いしましたね。
Q:ちなみに、「予告編に使わなきゃいけないから、早めに主題歌がほしい」みたいなことは、あるのでしょうか。
藤井:結構ありますね。今回も、予告編は、やっぱり清原さんの曲でやりたいよねという思いがあったので、Coccoさんサイドにもお願いして間に合わせていただきました。