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映画とウイスキーの意外な関係とは!?

(c)Photofest / Getty Images

映画とウイスキーの意外な関係とは!?

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『遊星からの物体X』(82)

寒さしのぎ以外のJ&Bの活用法とは?




監督:ジョン・カーペンター 出演:カート・ラッセル



寒い時にウイスキーを飲むと、喉を焼きながら胃の中まで落ち、耳や肩のあたりをフワっと心地よく熱くする。極上の防寒と言えるだろう。『遊星からの物体X』では、これに加えて、疑心暗鬼の象徴としてウイスキーが使われる。


冬の南極大陸。ノルウェーの観測基地から逃げて来た犬を助けたばかりに、謎の宇宙生物に襲われるアメリカ南極隊員たち。極寒の中で隊員たちを温めるのはジャステリーニ&ブルックス社の人気スコッチ・ウイスキー「J&Bレア」である。


フルーティな香りとクセの無いバランスのとれた味わいに加え、手頃な価格もあり、ハイボールやコークハイなどでも手軽に楽しまれている。また、黄色のラベルに赤く大きな「J&B」の文字は薄暗いバーでも良く目立つようにとデザインされた特徴的なものだ。主人公のマクレディ(カート・ラッセル)は、登場シーンとラストシーンで、この「J&B レア」のボトルを携えている。


宇宙生物との戦いを終えたラストシーン。あらかた基地を破壊し、隊員たちや犬まで取り込んで巨大化した、通称「ブレア・モンスター」を爆破したマクレディの元に、同僚のチャイルズがやって来る。しかし、宇宙生物に体を乗っ取られているかもしれず、お互いを信用出来ない2人だが、マクレディは最後の一杯だと「J&Bレア」のボトルをチャイルズに渡す。


この場面で囁かれるのは、「チャイルズはこの時、宇宙生物に乗っ取られている」という疑惑だ。南極の屋外。マクレディはモウモウと寒そうな白い息を吐いているのに対し、チャイルズの息は見えないというのが、その理由だ。そしてもう一つ。マクレディがチャイルズに渡したJ&Bのボトルには、ウイスキーではなくヘリコプターの燃料が入っている、という疑惑だ。


宇宙生物と戦っていたマクレディは、火炎瓶として投げつけるために、燃料を入れたJ&Bのボトルを腰に何本も差していた。仲間が全員死んで、最後の一人になったと思ったマクレディは自分自身も焼き殺して、本土に宇宙生物を渡らせまいとボトルを用意した。その瞬間にチャイルズが現れたのである。


こう考えると、ボトルを渡した際にマクレディが言う「何が起こるか、少し待ってみようじゃないか?」のセリフも、意味が変わってくるのではないだろうか?



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