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『ガタカ』から考える未来の命 「Cinema未来館」SFは未来のシナリオか?【CINEMORE ACADEMY Vol.13】

(c)Photofest / Getty Images

『ガタカ』から考える未来の命 「Cinema未来館」SFは未来のシナリオか?【CINEMORE ACADEMY Vol.13】


未来を考える映画イベント「Cinema未来館」が、お台場の日本科学未来館で2020年10月24日(土)〜25日(日)の2日間に渡って開催された。


本イベントは、新型コロナウイルスと共に生きる時代に、広くゆったりとした展示空間を生かした新しい科学館の楽しみ方を提案するシリーズ第2弾。今回は「SFは未来のシナリオか?」をコンセプトに、CINEMORE編集部もセレクトをお手伝いしたSF作品を上映、各テーマにおける専門家の方々をお招きしてスペシャルなトークセッションが行われた。


いま、私たちは、これまで持っていた価値観や行動様式の変容を求められる事態に直面しています。一方で、現実に起こりつつある事態は、すでに、過去に映画や小説、漫画などで未来の姿として描かれてきました。SFが描く未来世界の状況と課題、そしてそこに生きる人々の姿から、私たちは何を読み取るべきなのでしょうか。


パンデミックだけではなく、SFが描いてきた物語は、自分たちが生きる未来に実際に起こりうる--この実感を多くの人が持っている今だからこそ、考えるべき未来のシナリオを共有するためのイベントです。SFが描いてきた未来の姿と研究者・クリエイターが伝える現実の姿を重ね合わせ、これから訪れる世界の可能性と、そこへ向かう前に私たちが考えるべきことを、参加者の皆さんと共に探ります。

イベント公式サイトより


今回のCINEMORE ACADEMYでは、本イベントのスペシャルトークセッションの様子をレポート。今回は10月25日(日)『ガタカ』(97)上映後に行われた「『ガタカ』から考える未来の命」の様子をお届けする。


SF作品と医学の最前線からの声をもとに、SF、科学、社会の関わり方についての思考を深めていく。


※本記事は物語の結末に触れているため、映画をご覧になってから読むことをお勧めします。



ゲストスピーカー



八代嘉美

神奈川県立保健福祉大学教授、慶應義塾大学医学部生理学教室訪問教授

専門は幹細胞生物学、科学技術社会論。造血幹細胞研究で学位を取得後、科学技術社会論的研究を開始し、幹細胞研究および再生医療に関する社会受容の形成やコスト面などの社会実装に関する研究を開始する。2009年東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。博士(医学)。2009年、慶應義塾大学医学部生理学教室特任助教、2011年東京女子医科大学先端生命医科学研究所特任講師、2012年慶應義塾大学医学部総合医科学研究センター特任准教授、2013年京都大学iPS細胞研究所特定准教授を経て2018年より現職。2019年より一般社団法人日本再生医療学会理事。




佐藤大

脚本家

1969年生まれ。19歳の頃、主に放送構成・作詞の分野でキャリアをスタートさせる。

その後、ゲーム業界、音楽業界での活動を経て、現在はアニメーションの脚本執筆を中心に、さまざまなメディアでの企画、脚本などを手がけている。脚本代表作として、『カウボーイビバップ』、『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』、『交響詩篇エウレカセブン』『エースコンバット3 エレクトロスフィア』、『バイオハザード リベレーションズ シリーズ』など。



企画・ファシリテーション



園山由希江

日本科学未来館 科学コミュニケーター


Index


最前線の医療とSFの物語



Q(園山 ※以下Q):本日のトークセッションのテーマは「『ガタカ』から考える未来の命」です。早速ゲストをご紹介したいと思います。お一人目は神奈川県立保健福祉大学教授の八代嘉美さんです。


八代:こんばんは、神奈川県立保健福祉大学教授の八代です。再生医療や細胞治療といった技術を用いて、新しい時代や治療法を作るということをしております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。


Q:お二人目は脚本家の佐藤大さんです。


佐藤:佐藤です、よろしくお願いします。日本科学未来館とは『攻殻機動隊』のライブトークセッションで神山健治さんや黄瀬和哉さんたちと登壇した時に、石黒浩さんが作られたアンドロイドと一緒に司会をするという大役を仰せつかりまして、その時以来ですね。


普段は『攻殻機動隊』や『スペース☆ダンディ』といったSF作品に加えて、最近は『ドラえもん』や『天才てれびくん』といった、子供と一緒に科学やデジタルメディアを楽しめる作品を書いています。本日はどうぞよろしくお願いします。




Q:今回のトークセッションではゲストのお二人だけではなく、会場の皆さまにもSlido(リアルタイムにコメントできるWEBサービス)を通じてディスカッションに参加していただければと思います。


また、前半は「ガタカの世界を語り尽くす」、後半では「科学技術とフィクションの関係性」というテーマでお話いただきます。早速会場の皆さんからもコメントが沢山届いていますね。


佐藤:(ジュード・ロウ演じる)ジェロームの足について言及していたものや、指が6本のピアニストについてのものなど、科学技術というよりは出てくるキャラクターの設定に注目したコメントが多く見受けられますね。


八代:そうですね。「あれだけの技術があれば彼の足も治療できそう」というコメントがありましたが…そうですね(笑)。恐らくジェロームは脊髄損傷だと思います。脊髄損傷に対する再生医療というのは臨床研究も始まっていますし、保険適用の方法も1つ出てきています。ちゃんと動くかどうかはともかくとして、やはり2020年と映画『ガタカ』の作られた1997年という時代の差があるのかな、と思います。


佐藤:元々ジェロームの足が治っていたらこの映画は成立しないですよね。


八代:1997年というのはヒトES細胞が出来る前年なんですよね。1998年にヒトES細胞が出来て、そこでグッと再生医療に対する期待が高まりました。



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