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『ジョゼと虎と魚たち』ボンズ代表・南雅彦が語る、愛たっぷりの「アニメの作り方」【CINEMORE ACADEMY Vol.14】

『ジョゼと虎と魚たち』ボンズ代表・南雅彦が語る、愛たっぷりの「アニメの作り方」【CINEMORE ACADEMY Vol.14】

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スタッフ一人ひとりが「ボンズらしさ」を形作る



Q:冒頭におっしゃっていた、ボンズならではの「手癖」や「らしさ」は、どういったところから生まれてくるのでしょうか。


南:やっぱり、スタッフでしょうね。そして、プロデューサー陣の「作品に向き合う考え方」が共通しているんだと思います。そういう姿勢は実はあまり見えない部分ですが、会社としてのカラーを作っている重要な要素ですね。


だからこそ、初めてボンズと組む方、特に監督が独自のやり方に戸惑うこともあります。でも、そこに寄り添って、一緒に作っていく。うちって、トライアンドエラーをずっとやっている会社なんです(笑)。


ただ、なんのためにそれをやるかというと、一つひとつの作品をちゃんと作るため。作品って、全部違うものですからね。当然、その作品ごとに違う組み立て方が必要になる。大変ではありますが、一タイトルずつ丁寧に「この作品はこういう組み方が合っている」というのをチャレンジしています。




Q:例えば本作だと、図書館のシーンで1冊1冊の本の表紙が描き込まれている部分に感動しました。もちろんボンズならではの“動きの美学”も素晴らしいのですが、そうしたクオリティジャッジについても、ボンズ内での共通認識があるのでしょうか。


南:多分、あるんじゃないかな。演出とか作監(作画監督)は長年うちでやってくれている人も多いので、どういう絵が良いのか、計算してやってくれていると思います。


役者と一緒で、アニメーターも「一歩前に歩く」という絵を描いたら、1人ひとり全く違う“演技”をしますからね。その中で、『ジョゼと虎と魚たち』であれば、どういう演技をさせるかというところに、ボンズらしさが出ている気はします。


Q:特に近年は、「アニメーションはスタジオで観る」という感覚が、ライト層まで落ちてきている感覚があります。そのため、本作においても観客の皆さんが「ボンズらしさ」を念頭において観賞することになるのではないかと感じています。


南:それは残念! 今回は、爆発がない(笑)。空に鳥しか飛んでいない(笑)。




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