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『BLUE/ブルー』吉田恵輔監督 自らのボクサー体験から生み出した、生々しくも美しいボクシング映画の内幕【Director’s Interview Vol.117】

『BLUE/ブルー』吉田恵輔監督 自らのボクサー体験から生み出した、生々しくも美しいボクシング映画の内幕【Director’s Interview Vol.117】

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役作りで「負けボディ」を作った松山ケンイチ



Q:松山ケンイチさんはボクサーになりきるため、役作りに2年かけたそうですが、東出昌大さん、柄本時生さんと、三者三様で筋肉の付き方が違うように感じました。これはボクサーとしての性格の違いを表現するためなんでしょうか。


吉田:ボクサーは基本的に筋トレをしちゃ駄目なんです。余計な筋肉をつけると動きが遅くなるから。でも東出さんの場合は別でした。東出さんはボクシングの練習期間が3人の中で一番短かったんですが、チャンピオンという設定だった。でも短期間ではチャンピオンに見えるテクニックは身につけられない。それで一番最初に会った時に 「ちょっと脱いでみて」って言って、体を見せてもらいました。「ちょっと貧弱だなぁ」と思ったので体デカくしよう、と。 それで、とにかく東出さんの場合は筋トレをメインメニューにして、松山さんの場合は、どちらかというとナチュラルな4回戦ボクサーの「負けボディ」を目指しました。

 

©2021『BLUE/ブルー』製作委員会


Q:松山さんの体は細くて、柔らかそうな感じがしますね。あれがリアルなボクサーの体なんですね。


 吉田:松山さんはミットでパンチを受けたり、やらなきゃいけないことが多くて。 例えばスピードバッグ(小型で軽量のサンドバッグ)を練習で使う動きは、見た目より結構難しいんですよ。あれだけでも30テイク撮りました。ああいうことは東出さんや柄本さんには一切やらせなかったですね。3人とも同じ練習を撮る必要はないから、 時間がかかりそうなものは全部松山さんにやってもらって、東出さん、柄本さんには「ここだけやれば、いいから」ということをやってもらった。 


だから、この映画で松山さんが背負っていたものは、すごく多かった。でもやることが多い割には、あまりかっこいい姿を演じられないという(笑)





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