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『人と仕事』森ガキ侑大監督×河村光庸プロデューサーが再定義する、映画の社会意義【Director’s Interview Vol.149】

『人と仕事』森ガキ侑大監督×河村光庸プロデューサーが再定義する、映画の社会意義【Director’s Interview Vol.149】

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河村Pの手腕が発揮されたスピード公開



Q:『パンケーキを毒見する』(21)もそうですが、スターサンズの作品を観ていると「映画は時間のかかるメディア」という前提すらも、過去のものになりそうな勢いを感じます。『人と仕事』も撮影に1年を費やしていますが、「いまのドキュメンタリー」に仕上がっている。


森ガキ:河村さんは、突破力が凄いんですよ。いい意味でせっかちというか、「やろうやろう」と先導してくれる。


河村:でも、僕も10月8日に公開できるとは思っていませんでしたよ。そもそもコロナの状況もわからないし。ただ、映画館に電話したら「空いてるのはここしかない」って言われたから、「時間ないよ」って森ガキ監督に伝えて……(笑)。


森ガキ:(爆笑)。いや、良く間に合わせましたよ……(笑)。


河村:いやぁ、本当に皆さんのおかげです。


森ガキ:いや、でも、電話してパッと決まります?(笑) 普通のプロデューサーだったらこうはいかない。河村さんは、資金集めもすごく早いんです。


河村:えっ、そうなの?


森ガキ:そうですよ。全然違います。びっくりしました(笑)。


Q:河村さんであり、スターサンズだからこそ、このスパンで公開までたどり着いたのですね。


森ガキ:僕はそう思います。


河村:いやいや(笑)。ただ、お客さんには、このタイミングで出した意味を考えていただけたら嬉しいですね。僕は、戦争を反省するように、コロナに対して人類全体が反省しないといけないと思うんです。どうして生まれて、どのように対応したのか。今までの活動で本当にいいのか。


もちろん落ち着いてそれができるのはまだまだ先かと思いますが、『人と仕事』はその突破口になるんじゃないかと信じています。この時期の公開で良かったと思っているし、若い方々にもぜひ観ていただきたいです。



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監督:森ガキ侑大

1983年生まれ、広島県出身。2004年、広島工業大学在学中にドキュメンタリー映画制作を始める。2006年福岡のCMプロダクションに入社し、2013年「THE DIRECTORS GUILD」に参加、2017年に脚本家・山﨑佐保子とクリエイター集団《クジラ》を設立。グラブル、資生堂、ソフトバンク、日清カップヌードル、dマガジン、DAIHATSU、JRA、エネゴリ君などのCMを手掛け、CANNES LIONS ACC シルバーなど多数受賞。「新しい学校のリーダーズ」のMVの制作なども担当。初の長編映画『おじいちゃん、死んじゃったって。』(17)で第39回ヨコハマ映画祭 森田芳光メモリアル新人監督賞を受賞したほか、海外映画祭でも高い評価を得る。その他『さんかく窓の外側は夜』(21)や、テレビドラマでは「坂の途中の家」(19/WOWOW)、「時効警察はじめました」(19/EX)なども手がけている。





企画・製作・エグゼクティブプロデューサー:河村光庸

1949年生まれ、福井県出身。2000年、株式会社アーティストフィルムを設立し会長に就任。主に外国映画の買付けに関わる。2008年に株式会社スターサンズを設立すると、『息もできない』(10)、『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』(16)などのヒット作を買い付ける。2012年には製作・配給した日本映画『かぞくのくに』(ヤン・ヨンヒ監督)が同年の映画賞を席巻した。その後も精力的に映画製作を続け、『あゝ、荒野』(17)は日本アカデミー賞(最優秀主演男優賞)受賞のほか、各賞を総なめにした。その後も『愛しのアイリーン』(18)、『新聞記者』『宮本から君へ』(19)、『MOTHER マザー』(20)、『ヤクザと家族 The Family』『パンケーキを毒見する』(21)と話題作を立て続けに製作。『新聞記者』は日本アカデミー賞で作品賞を筆頭に6部門で優秀賞を獲得。また同作のプロデュースで2020年度藤本賞を受賞した。現在、『空白』が絶賛公開中。



取材・文: SYO

1987年生。東京学芸大学卒業後、映画雑誌編集プロダクション・映画情報サイト勤務を経て映画ライター/編集者に。インタビュー・レビュー・コラム・イベント出演・推薦コメント等、幅広く手がける。「CINEMORE」 「シネマカフェ」 「装苑」「FRIDAYデジタル」「CREA」「BRUTUS」等に寄稿。Twitter「syocinema




『人と仕事』

2021年10月8日(金) 全国3週間限定劇場上映公開

配給:スターサンズ/KADOKAWA

©2021『人と仕事』製作委員会

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