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『DUNE/デューン 砂の惑星』ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督 フィルムメイカーとして最高の作品になった【Director’s Interview Vol.152】

『DUNE/デューン 砂の惑星』ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督 フィルムメイカーとして最高の作品になった【Director’s Interview Vol.152】

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原作の大ファンだったハンス・ジマー



Q:音楽を担当したハンス・ジマーも原作の大ファンだと聞いています。彼とのコラボレーションについて教えてください。


ヴィルヌーヴ:『DUNE/デューン 砂の惑星』(以下、『DUNE』)のことで最初に声をかけたのはハンスだった。『ブレードランナー2049』(17)の製作が終盤に差し掛かったとき、モントリオールでハンスとディナーをしたんだ。彼は私にこう言ったよ。「私の最大の夢は『DUNE』のスコアを手掛けることだった。そう思い続けていたので、過去の作品は何も観ていない。真っ新のまま大好きな『DUNE』と向き合いたいんだ」ってね。


そして、お互いこうも話した。「長い年月、ずっと夢見てきたプロジェクトを実現させるのは、果たして賢明なことなのだろうか」「そういうプロジェクトに挑戦するのはどうなのか?」。もちろん、そのとき答えはなかったが、ハンスはすでに何かを思い描いていたんだ。ハンスがこだわったのは“新しい音”だった。存在している楽器からは聴こえてこないような音を創り出したいと言い、そのために新しい楽器をデザインし、それを知り合いのミュージシャンに演奏してもらったりしていた。私はその管楽器を見たとき、「これは凄い」と思ったんだが、実際にハンスはそういう楽器のように斬新な音楽を創ってくれたんだ。



『DUNE/デューン 砂の惑星』©2020 LEGENDARY AND WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED.


「マスター」と呼ばれる作曲家が、慣れ親しんだ場所から一歩を踏み出し、リスクを取って新しい試みに挑戦するその姿に、私は大きな感銘を受けた。そういう瞬間を目撃出来るなんて、本当に素晴らしい経験だったと思っている。


Q:ハンス・ジマーは過去作をご覧になってないとのことですが、あなたはいかがですか? デビッド・リンチ版をご覧になっているなら、その感想をお願いします。


ヴィルヌーヴ:リンチ版が公開された頃、私は彼の大ファンだった。もちろん「デューン」が大好きで、SFファンでもあった。映画の完成を心待ちにしていて、公開されると劇場に駆け付けたよ。が、その作品は私が期待していた『デューン』ではなかった。ある部分は楽しんだ。間違いなく大好きなシーンもあった。でも、私が考えていた作品じゃなかったんだ。今でもリンチは大好きだけどね(笑)。


TVシリーズ(00年にSyfyチャンネルが製作したミニシリーズ)も1話だけ観たが、私が思っていたものとは大きくかけ離れていた。私にとってはそれでもう十分だった。




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