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『DUNE/デューン 砂の惑星』ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督 フィルムメイカーとして最高の作品になった【Director’s Interview Vol.152】

『DUNE/デューン 砂の惑星』ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督 フィルムメイカーとして最高の作品になった【Director’s Interview Vol.152】

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ティモシー・シャラメがいなくては成立しなかった



Q:主人公のポールを演じたティモシー・シャラメについてはいかがでしょう。彼はあなたの大ファンだそうですね。


ヴィルヌーヴ:いやいや、私こそティモシーの大ファンだよ(笑)。ただ、これはティモシーにいつも言われることなんだけど、私は過去に、彼をオーディションして落としたそうなんだ。『プリズナーズ』(13)のとき、ヒュー・ジャックマンが演じた役をやりたかったらしいんだが、私は「それは無理」と言ったそうだ。いや、憶えてなくてさ(笑)。


しかし、今回はティモシーなくして成り立たない企画だった。彼こそがポール・アトレイデスだったからだ。彼が出演してくれなければ撮る意味すらないとさえ思ったくらいだ。レジェンダリー・ピクチャーズもこれに同意してくれて、ティモシーもOKしてくれた。全てはそこから始まったんだ。


撮影中、私たちは仲良くなり、映画を作る上での共犯者になった。彼は完全に私を信頼してくれて、カメラの前ではポールになり切ってくれた。ティモシーにとっては初の大作だったから、彼は周囲にシールドを張り演技に集中していた。そんな彼を守ることも、私の仕事のひとつだったんだ。


 『DUNE/デューン 砂の惑星』©2020 LEGENDARY AND WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED.


Q:世界規模のパンデミックを乗り越え、やっと公開されることになりました。今はどんな心境でしょう。


ヴィルヌーヴ:私たちは、将来何が起きるか判らないということを経験した。それでもこの映画は出来上がり、やっとみなさんに観て貰える時がやって来た。私は『DUNE』を作るチャンスを持てたことに本当に感謝している。このプロジェクトを立ち上げ、ちゃんと作らせてもらえたことに対して、映画の神様に深く感謝しているんだ。


この映画は私にとって、とてもパーソナルな作品なんだ。これまでのどの作品よりも大きいのに、もっともパーソナルなんだよ。私は深く親密なつながりをこの作品に感じている。そしてまた、フィルムメイカーとして、これは最高の作品になったと信じている。みなさんと『DUNE』を分かち合えることを、いまはとても楽しみにしているよ。



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監督・脚本・製作:ドゥニ・ヴィルヌーヴ

米アカデミー賞ノミネート歴をもつフランス系カナダ人のフィルムメイカー。『灼熱の魂』(10)、『プリズナーズ』(13)、『ボーダーライン』(15)、『メッセージ』(16)、『ブレードランナー 2049』(17)の監督として有名。ディテールに対する鋭敏な注意力、ユニークなビジュアルによって、当代最高のフィルムメイカーのひとりとしての地位を築き上げている。



取材・文:わたなべまき

映画ライター。『TVブロス』『SFマガジン』『アニメージュ』等に執筆中。押井守監督の日本人論「押井守のニッポン人って誰だ!?」では編集と執筆を担当した。




『DUNE/デューン 砂の惑星』

10月15日(金)公開

配給:ワーナー・ブラザース映画

©2020 LEGENDARY AND WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED.

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