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時代を選ばない完結した世界観『スパイダーマン2』【川原瑞丸のCINEMONOLOGUE Vol.62】

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『ノー・ウェイ・ホーム』の前に思い出したい『スパイダーマン2』



 スパイダーマン映画の最新作『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の予告編にて、ついに待望のクロスオーバー要素が投下され、ファンには期待と興奮、憶測が広まった。サム・ライミ監督版三部作の2作目『スパイダーマン2』のドクター・オクトパス役、アルフレッド・モリーナが顔を見せたのだから、どうしたって同キャラクター役として、別シリーズの壁を越えて登場するのだと思ってしまうのも無理はない。


 2000年代のライミ版三部作の出演者が同じ役でMCU版スパイダーマンに登場するのはこれが初めてではない。前作『ファー・フロム・ホーム』にも、写真家ピーター・パーカーの雇い主であるJ・ジョナ・ジェイムソン役としてJ・K・シモンズが登場している。このことから今度のアルフレッド・モリーナも、繋がりはともかくとしてキャラクター自体は同じドクター・オクトパスなのではないかと考えられている。


 『スパイダーマン2』は今でもお気に入りのスパイダーマン映画の一本である。前作でスパイダーマンとしてデビューし、人を助け犯罪と戦う日々に忙殺されるようになったピーター・パーカーの、ヒーローの活動と自身の生活との間で葛藤する姿とともに、宿敵ドクター・オクトパスとの戦いを描く。コミック・アーティストのアレックス・ロスが描いたアートワークで、前作のダイジェストが流れるオープニングタイトルもかっこいい。


 これはライミ版スパイダーマン全体に言える特徴だが、抑え気味の色彩と時代を特定させない雰囲気がひとつの世界観を作っている。製作年よりも以前の時代に見える雰囲気のため、かえって今観てもそれほど古さを感じさせない作りになっているのが、本シリーズが色褪せない理由のひとつなのかもしれない。


 登場人物が当時全盛を迎えつつあった携帯電話などを一切使わないことからも、それは意図された時代感だったのだろう。スパイダーマンらしい時代感というものが目指されていたのかもしれない。落ち着いた色彩の中でスパイダーマンの派手なコスチュームだけが際立って見えるのも計算されたものを感じる。




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