1. CINEMORE(シネモア)
  2. Director‘s Interview
  3. 『ラストナイト・イン・ソーホー』エドガー・ライト監督 オマージュは意識しない、好きだから自然と出てくるんだ【Director’s Interview Vol.169】
『ラストナイト・イン・ソーホー』エドガー・ライト監督 オマージュは意識しない、好きだから自然と出てくるんだ【Director’s Interview Vol.169】

© 2021 Focus Features LLC and Perfect Universe Investment Inc. All Rights Reserved

『ラストナイト・イン・ソーホー』エドガー・ライト監督 オマージュは意識しない、好きだから自然と出てくるんだ【Director’s Interview Vol.169】

PAGES


オマージュは意識していない



Q:60年代の音楽からはじまり、ジャッロ(イタリア製ミステリー)、ダリオ・アルジェント、デパルマらのミステリーの巨匠たちへのオマージュなど、今回も映画愛に溢れた要素が盛り沢山ですが、これらは脚本の段階で綿密に組み込んでいるのでしょうか?


ライト:これは答えるのがすごく難しんだよな…。今回は60年代のソーホーを舞台にしていて、物語の内容もホラー/ミステリーだから、どうしてもオマージュのように見えてしまうシーンがあるよね。でも脚本には、オマージュを意識した書き込みはしていないんだ。皆がオマージュだと思うような点は、僕も大好きな映画の要素だから、自然と出てきてしまうんだよね。



『ラストナイト・イン・ソーホー』© 2021 Focus Features LLC and Perfect Universe Investment Inc. All Rights Reserved.


例えば、マリオ・バーヴァやダリオ・アルジェント、マイケル・パウエルたちの、テクニカラーの使い方はとても好きだし、『サイコ』(60)のようなモノクロの影の使い方も大好きなんだ。ヴィヴィッドでカラフルな色使いのホラーもすごく好きで、『血を吸うカメラ』(60)、『黒水仙』(47)とか、アンリ=ジョルジュ・クルーゾーの『L'enfer』(64)なんかは素晴らしいよね。(※『L'enfer(インフェルノ)』は未完の作品、ドキュメンタリー『L'enfer d'Henri-Georges Clouzot』(09)で、その一部を観ることが出来る)ちなみに、もし世界で完成させるべき映画があるのだとすれば、この『L'enfer』だと僕は思っている。


ビジュアルの話だけではなくて、作品のインスピレーション自体が60年代やソーホーへの思いから来ているものだしね。実は「ジキルとハイド」だって、一部がソーホーで展開する物語なんだよ。だからそういったものが自然と入って来ているんだと思うよ。




PAGES

この記事をシェア

メールマガジン登録
  1. CINEMORE(シネモア)
  2. Director‘s Interview
  3. 『ラストナイト・イン・ソーホー』エドガー・ライト監督 オマージュは意識しない、好きだから自然と出てくるんだ【Director’s Interview Vol.169】