1. CINEMORE(シネモア)
  2. Director‘s Interview
  3. 『偶然と想像』濱口竜介監督 「有りそうで無い」ものから「無さそうで有る」ものへ【Director’s Interview Vol.170】
『偶然と想像』濱口竜介監督 「有りそうで無い」ものから「無さそうで有る」ものへ【Director’s Interview Vol.170】

『偶然と想像』濱口竜介監督 「有りそうで無い」ものから「無さそうで有る」ものへ【Director’s Interview Vol.170】

PAGES


企画意図の一つ「仕事をしたい人と仕事をする」



Q:キャスティングはどのように決められたのでしょうか?

 

濱口:基本的にはメインになる方が8人いるのですが、古川さん、中島さん、甲斐さん、森さんは今回初めてご一緒して、玄理さん、渋川さん、占部さん、河井さんは過去に一緒に仕事をした人たちです。実はまさにこれがしたかったんです。今回の企画をやった理由の一つに、日ごろ仕事をしたいと思っていた人とのしごとの機会をつくろう、というモチベーションがありました。今回はインディペンデントに近い形だったので、自分が「この人いいな」と思った方とパッとやれるところが良かったですね。


今回初めてご一緒する方々は、基本的にはオーディションでお会いしました。中島歩さんなんかはワークショップでお会いしてましたが。選ぶ基準は「役柄に合っている」ということに尽きますけれど、皆さん気持ち良く話ができて、話が通じやすい人たちだというのは共通点だと思います。


『偶然と想像』©2021 NEOPA / fictive


Q:役者さんたちの人物造形が面白くて、みなさんの髪型も印象的でした。


濱口:髪型についてはちゃんと話をして決めました。占部さんはもともとショートカットですが、古川さんは以前に後ろ髪がパッツンで首筋が出ていたことがあって、その感じがいいですねと、撮影前に切っていただきました。


渋川さんは、10年以上お付き合いがありますけど、最近“おじいちゃん感”みたいなものを感じていて、老け役をやって欲しいという気持ちがずっとあったんです。そういうこともあって白髪まじりでおねがいしました。キャラクターとしてご本人から離れすぎているところもあるので、逆にそういう「扮装」があったほうが、「演じる上で楽になるのかな」とも思いましたね。





PAGES

この記事をシェア

メールマガジン登録
  1. CINEMORE(シネモア)
  2. Director‘s Interview
  3. 『偶然と想像』濱口竜介監督 「有りそうで無い」ものから「無さそうで有る」ものへ【Director’s Interview Vol.170】