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『さがす』片山慎三監督 言葉に頼らず物語に没入させる映画術【Director’s Interview Vol.175】

『さがす』片山慎三監督 言葉に頼らず物語に没入させる映画術【Director’s Interview Vol.175】

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答え合わせだけでは通用しない時系列の変更



Q:『岬の兄妹』は片山監督お一人で書かれた脚本でしたが、今回は共同脚本のため、客観的な意見が色々と入ってきたかと思います。その辺りはいかがでしたか?


片山:山野プロデューサーや映画会社の意見を聞いていると、エンターテイメント性や商業性をより求められている気がしました。自分としてはもう少し作家性の強い方向で考えていたので、その差を感じましたね。もし自分一人でやっていたら、もっと難解で残虐な方向になっていたと思います。



『さがす』©2022『さがす』製作委員会


Q:時系列がランダムな構成となっていますが、これを「映画の面白さ」を増幅させる装置として自在に使いこなしている印象がありました。なぜこの手法を採られたのでしょうか?

 

片山:タランティーノが好きなんです(笑)。『パルプ・フィクション』(94)のように時系列をいろいろ変えて、死んだと思っていた人間が生きていたり、同じシーンを別の目線で語ったり、そういう映画が好きなんですね。ただそれも、「実はこういうことでした」と答え合わせに終始してしまうと、目の肥えた現代の観客には通用しない。そこにどう新しい情報を盛り込んでいくかが課題でした。


また、時間軸のピースが完全に合わなかったとしても、そこは観客の想像力で補完できると思い、分かりやすさを促す装置としては使わないように気を付けましたね。


Q:無意識に答え合わせをしながら観ていたのですが、どんどん予想外の展開となり、もはや答えとは全然関係ない方に連れて行かれる感覚がありました。




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