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『さがす』片山慎三監督 言葉に頼らず物語に没入させる映画術【Director’s Interview Vol.175】

『さがす』片山慎三監督 言葉に頼らず物語に没入させる映画術【Director’s Interview Vol.175】

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言葉に頼らず物語に没入させる



Q:先の時系列の話しかり、衣服や美術・小道具などのアイテム、カメラワークやアングルなど、ストーリーを牽引させる装置が映画全体に組み込まれていて、それが面白いくらいに炸裂していくのですが、そこへのこだわりについて聞かせてください。 

 

片山:韓国で助監督をしていたとき、撮影がない時はよく映画館で映画を観ていました。もちろん言葉が全然分からない状態で観ているのですが、そうすると、面白い映画とそうでない映画の違いが良くわかるんです。面白い映画の場合は、言葉がわからず画だけ見ていても、登場人物の関係性や話の流れが不思議と入ってくる。これは勉強になりましたね。目指すのはまさにそこで、セリフに頼らず画を見るだけでも、物語に入り込んでもらえるようにしたいなと思っています。



『さがす』片山慎三監督


また、今回の映画では、話のポイントとなるアイテムが最初から最後までたくさん出てきます。ここはすごく意識していました。主となる登場人物が3人いるのですが、実は全員が同じフレームに収まることはありません。それをやってしまうと、映画の作り方としては失敗する可能性が高いんです。一つのカットで人物の関係性を分からせることはせずに、アイテムを駆使して人物の関連性を浮き上がらせていく。ここは自分の中での課題だったので、相当考えました。


人物一人一人を全部描いてると、とても長い映画になるし予算にも限りがある。そこをいかに省略して関係性を見せていくかは、こだわったポイントです。




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