© BRITISH BROADCASTING CORPORATION AND THE BRITISH FILM INSTITUTE AND AP (MOLLY) LTD. 2020
『選ばなかったみち』サリー・ポッター監督 どうして私たちは人々とつながるのか【Director’s Interview Vol.185】
過去の記憶は真実なのか？
Q：この映画では、ある特定の「1日」が象徴的に使われ、人生における1日の重みを感じさせてくれます。
ポッター：24時間の中には昼と夜があり、光と闇、覚醒と睡眠、全てが詰まっています。ジェイムズ・ジョイスの小説「ユリシーズ」など、24時間の中で起こる物語もありますよね。24時間という時間の中で、私たちの人生全てや、それに対する享受が表現できるのではないかと思いました。
『選ばなかったみち』© BRITISH BROADCASTING CORPORATION AND THE BRITISH FILM INSTITUTE AND AP (MOLLY) LTD. 2020
Q：「もしもこうだったら？」と、違う人生が並行して描かれます。私自身、過去を振り返ったとき、その記憶が本当かどうかは根拠が曖昧だなと感じていました。この映画を観ていると、そのことをふと思い出します。
ポッター：オレンジを食べているときの脳波と、オレンジを食べているのを想像したときの脳波は、全く同じだそうです。これはつまり、私たちの脳が現実だと認識していたものが、果たして本当にそうだったのか、私たちは測る手段を持っていないことを意味します。そして同時に、私たちの想像力はとてもパワフルだということが分かるのです。
記憶を振り返ったときに、それが本当の記憶なのか、あるいは想像力の賜物なのか、実は誰にも分からない。何が真実で、何が想像なのか？ そういった脳の働きも掘り下げました。
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