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『オールド・ボーイ 4K』パク・チャヌクと伝説の漫画原作者・狩撫麻礼の奇跡的な出会い 原作漫画編集者 平田昌幸氏 インタビュー

© 2003 EGG FILMS Co., Ltd. all rights reserved.

『オールド・ボーイ 4K』パク・チャヌクと伝説の漫画原作者・狩撫麻礼の奇跡的な出会い 原作漫画編集者 平田昌幸氏 インタビュー

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ラストを大胆に改編



Q:当時『オールド・ボーイ』を観て驚いたのはストーリーの核心部分、つまり「主人公がなぜ監禁されたのか?」という理由を、原作と全く違うものに変えたことです。原作者の狩撫さんはその点は大丈夫でしたか?


平田:大丈夫でしたね。映画の前半は原作そのままだし、いわゆる「狩撫節」と言える表現も随所に入っている。あと、嶺岸さんの絵から明らかにインスパイアされたシーンもあり、原作へのリスペクトを画面から感じられたようでした。


Q:原作では、主人公の五島が少年時代、同じクラスの陰気な少年が歌った歌に感動して泣いてしまった、というのが復讐の理由になっています。実はそのままの経験を狩撫さんがされていたそうですね。


平田:そうです。小学生の時に他の生徒とうまくしゃべれない男の子がいたそうです。その子が音楽の授業で課題の歌を見事に歌い上げ、それを聴いて泣いてしまった。その記憶が鮮明で「もしその子が自分に復讐してきたら」という発想が後半の展開になっています。



『オールド・ボーイ 4K』© 2003 EGG FILMS Co., Ltd. all rights reserved.


Q:すごく独創的な復讐の理由ですが、パク・チャヌク監督はなぜ映画には採用しなかったのでしょうか。


平田:パク監督は当初、原作通りに脚本を書いたそうです。でも映画の2時間の尺では観客を納得させられない。だから「それなら恨まれてもしょうがないよね」というオリジナルの理由に書き換えたそうです。だからパク監督は初めて狩撫さんと会う時、すごく緊張したと言っていました。開口一番、パク監督は「すいませんでした!」って謝っていましたね。殴られるかもとも思っていたようです(笑)。


Q:狩撫さんも映像として完成したものを観たからこそ、変更に納得できたのかも知れませんね。


平田:韓国サイドが事前に脚本を狩撫さんに提出していたら、もしかしたら映画は成立しなかったかもしれないですね。かと言って、韓国のスタッフが意図的に脚本を渡さなかったとは思えないんです。単なる凡ミスだと思います(笑)。その偶然から、あの映画が生まれたんじゃないかと思います。




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