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『その消失、』狩野比呂監督 必要なのは絶対的にブレない“感覚”【Director’s Interview Vol.220】

『その消失、』狩野比呂監督 必要なのは絶対的にブレない“感覚”【Director’s Interview Vol.220】

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撮影できなかったシーンもある



Q:劇中では、現実、過去、脳内(幻想部分)が複雑に交錯しますが、編集は脚本のまま進められたのでしょうか?それとも編集段階で変更されましたか?

 

狩野:結果的には変わりました。というのも、脚本には書いてあったのに撮れなかったシーンがいくつかあったんです。大枠の流れは変わってはいないのですが、シーンのつなぎ目などは編集で結構変わりました。どうしても足りないところは追加で撮ったりもしましたが、物語の流れに差し支えない部分などは撮影を割愛したところもあります。それでも撮影にはかなり時間がかかりましたね(笑)。


現実、過去、脳内(幻想部分)の部分については、脚本の段階からあまり変わってないと思います。物語の始まりは何が起こっているのか分からない状況にしておいて、徐々に分かってくる構成にしたかった。その意味においては、全体構成については脚本と編集で大きくは変わっていないと思います。



『その消失、』(c)「その消失、」製作委員会


Q:映画全体の色調にもこだわりを感じます。カラーグレーディングにもかなり力をいれていますよね。


狩野:そうですね。のべ1ヶ月間くらいグレーディングをやっていました。相当やりましたね(笑)。撮影時の天候があまり良くなかったり、狙った時間での撮影ができなかったことも多かった。現場では狙いの色調が撮れなかったこともあったので、ある程度グレーディングで調整することは撮影時から考えていました。


Q:完成までは紆余曲折ありましたが、映画館で無事公開できて配信も始まりました。当初映画を作ろうと思った時を振り返ると、思い描いた通りのことを具現化できましたか?

 

狩野:自分の中では最高の上映ができたと思っています。関わってくれた皆さんには、お待たせしてしまいましたが、映画館で流すことにこだわって良かったです。映画を観て、僕らのチームに興味を持ってくれて、一緒に映画を作ろうと声をかけてくれた方もいた。ちゃんと届いたんだ、という実感もありましたね。そういった意味でも本当にいい映画になったと思います。





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