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『その消失、』狩野比呂監督 必要なのは絶対的にブレない“感覚”【Director’s Interview Vol.220】

『その消失、』狩野比呂監督 必要なのは絶対的にブレない“感覚”【Director’s Interview Vol.220】

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映画とCM、感覚の違い



Q:CM業界と映画業界ではどんなお仕事をされていたのでしょうか。


狩野:今は広告のクリエイティブディレクションの仕事が一番多くて、自分の企画に関しては自分で演出したりもしています。映画業界にいたときは主に助監督をやっていて、CGを担当していた時期もあります。以前ロンドンにいたときには自主制作映画の現場にいて、それが映像業界に入ったきっかけでした。


Q:ロンドンでの映画製作はいかがでしたか?


狩野:その頃僕は音楽の仕事をしていて、その仕事をしながら、学生の自主制作映画で撮影や照明を担当していました。まだまだ駆け出しでしたね。それで本格的に技術を学ぼうと日本に戻ってきたんです。以前からデヴィッド・フィンチャー監督が好きで、クオリティの高い映像を撮りたくてCMやミュージックビデオの現場に入ってきたんです。



『その消失、』(c)「その消失、」製作委員会


Q:普段やっているCM撮影と比べると予算が格段にタイトだったかと思いますが、実際に長編映画の撮影をしてみていかがでしたか?

 

狩野:もともと映画の演出部にいたので、映画がどれだけ苦しい予算でやっているかは理解していました。企画やスタッフィングの段階から、少ない予算でどうやっていくかは常に念頭にありましたね。そういった意味ではCMとは全く違うアプローチだったので、全然違う感覚でやっていました。予算やスケジュールはかなり苦しかったですが、映画とCMではそもそも考えが違うので、CMと比較して考えるようなことはなかったですね。


Q:映画の現場で培ってきた経験が活かせたと。


狩野:ミュージックビデオや企業映像制作など、映画以外でも予算が少ないことはよくありました。そういうときは、自分でカメラも回して編集もし、美術をやることさえありました。今回の映画制作に関しては、そういう気持ちに立ち返った部分もあり、結構楽しみながらやれましたね。





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