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『その消失、』狩野比呂監督 必要なのは絶対的にブレない“感覚”【Director’s Interview Vol.220】

『その消失、』狩野比呂監督 必要なのは絶対的にブレない“感覚”【Director’s Interview Vol.220】

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デヴィッド・フィンチャーと岩井俊二



Q:今後はどんな映画を作って行きたいですか? 


狩野:次回作に向けて書いている脚本が4つぐらいあって、それぞれ何人かの方とお話を進めています。あまり具体的に内容は言えないのですが、人間の心の弱さを表現するような映画を今後も作っていきたいと思っています。


Q:最後の質問です。影響を受けた監督や映画作品を教えてください。 


狩野:たくさんいますね(笑)。デヴィッド・フィンチャー監督の作品は、全作品テープが擦り切れるほど観ました。フィンチャーは元々ミュージック・ビデオやCMをやっていた監督ということもあり、ハリウッドの中でもフィンチャー作品には特別な思いがあります。『セブン』(95)や『ファイト・クラブ』(99)には特に影響を受けていますね。


他にはミヒャエル・ハネケ監督やテリー・ギリアム監督。ハネケの『71フラグメンツ』(94)も相当な回数を観ていて、引き画の長回しにある静かな狂気からは、学んだものが多いですね。ギリアムの『12モンキーズ』(95)には、物語や脚本の領域で影響を受けたと思います。


日本だと、岩井俊二監督の『スワロウテイル』(96)ですね。子供のときに観たのですが、それ以来ずっと忘れられなくて、『スワロウテイル』は確実に100回以上観ています。もしかすると200回くらい観ているかもしれません(笑)。物語とはこういうこと、映画とはこういうことだと学んだ映画です。また、師匠である石井克人監督の作品では、<世にも奇妙な物語 SMAPの特別編>の「BLACK ROOM」(00 TV)という木村拓哉さんが出演された作品があるのですが、この作品にもすごく影響を受けました。こんな映像を作れる人が世の中にいるんだと驚いた作品ですね。


他にもアルフレッド・ヒッチコック監督の『裏窓』(54)や、パク・チャヌク監督の作品、ポン・ジュノ監督の『殺人の追憶』(03)も相当な回数観ています。特に韓国の映画の“黒の作り方“にはすごく興味があるんです。日本映画であまり見ない、なんか不思議な黒なんですよね。




 

原案・監督・脚本・編集:狩野比呂 

ナイスレインボー所属の映画監督・CM監督・脚本家。英国ロンドンにて映像制作を開始し、帰国後日本にて映画・CM監督の石井克人氏に師事。様々な広告・映画・ドラマ・MVに演出・プランナー・脚本として携わり、現在までに携わった作品は500 本以上に渡る。2014 年、「VIBRA」が横濱HAPPYMUS!C映画祭にて優秀作品賞を受賞。2016年、ガメラ生誕50周年記念映像「GAMERA」に監督補として参加。その後、初長編映画「その消失、」で映画監督デビュー。CMではSEIYUのWEBムービー「HANDMADE HOMETOWN」が数々の海外広告賞で高い評価を得るなど、監督した作品が次々と話題を呼んでいる。



取材・文: 香田史生

CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。


撮影:青木一成




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販売:アメイジングD.C.

(c)「その消失、」製作委員会

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