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『マジック・マイク ラストダンス』スティーブン・ソダーバーグ監督 魅惑のライブショーに触発されて三作目を決意【Director’s Interview Vol.290】

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『マジック・マイク ラストダンス』スティーブン・ソダーバーグ監督 魅惑のライブショーに触発されて三作目を決意【Director’s Interview Vol.290】

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人気スターのチャニング・テイタムが、下積み時代に男性ストリップダンサーとして働いた実体験から生まれた『マジック・マイク』(12)シリーズに、待望の三作目『マジック・マイク ラストダンス』が完成した。


監督を務めたのは一作目と同じスティーブン・ソダーバーグ。二作目『マジック・マイクXXL』(15)では監督を退いたのに、しれっと撮影監督兼編集として参加していて世間を驚かせたが、今回も監督・撮影・編集の一人三役で大活躍。近年、唯一無二のミニマムな映画づくりを先鋭化させていた鬼才監督が、シリーズでも最もハッピーなダンスムービーに挑んだ理由と舞台裏をオンライン合同インタビューで語ってくれた。



※本記事の最後の章は物語の結末に触れているため、映画をご覧になってから読むことをお勧めします。


Index


「マジック・マイク・ライブ」に触発された



Q:今回『マジック・マイク』シリーズに監督として復帰した理由を教えてください。


ソダーバーグ:理由はとてもシンプルなんだ。二作目の『マジック・マイクXXL』の後、チャニング(・テイタム)と脚本のリード・キャロリンと振付のチームは、『マジック・マイク』をもとにしたキャバレースタイルのライブショーを作っていたんだ。僕はかなり初期の段階のものを何度か見せてもらっていたんだけど、その後ロンドンで初めて完成したショーを見たんだ。


Q:2017年3月にラスベガスで初演されて、2018年11月にロンドンにも進出した「マジック・マイク・ライブ」のことですね。


ソダーバーグ:ああ。そこで僕は、チャニングたちがやってのけたことに完全にノックアウトされたんだ。あんなショーは人生で初めてだった。すぐに自分のチームに電話をかけて、ふたつのことを伝えた。僕らは何年もかけて『マジック・マイク』のブロードウェイミュージカル版を開発していたんだけど、まずそのプロジェクトを取りやめること。そして今見たばかりのショーが、いかにして生まれたかを映画にしたいということ。その映画では、マイクは『 オール・ザット・ジャズ』(79)の主人公みたいな役回りになると説明した。要するに僕は、「マジック・マイク・ライブ」にあまりにも興奮してしまい、なんとしてでもその一部を自分のものにしたくなったんだ。



『マジック・マイク ラストダンス』© 2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved


Q:「マジック・マイク・ライブ」のどんな部分に触発されたんでしょうか?


ソダーバーグ:ライブショーに関して、チャニングはすごく大きな構想を持っていた。ストリップという概念は、発明されて以来ほとんど進化していない。チャニングはダンスを通じて、従来のストリップの形式を、もっと心に響く、エモーショナルなものにできると確信していた。必然的にショーはダンサーを中心に構成されることになる。踊りの専門家じゃないストリップダンサーにダンスを教えるんじゃなくて、プロのダンサーにストリップのムーブを習得してもらうんだ。


もうひとつ、とても刺激を受けたのは、チャニングたちがダンサーの一人ひとりと対話して、それぞれの特技や才能を探り出したこと。ショーには各々の特性が組み込まれていて、全員に特別な見せ場が与えられていた。ピアノを弾く者もいれば、歌う者もいて、ドラムを叩くダンサーもいたよ(笑)。彼らはパフォーマーとして、またひとりの人間として、ステージ上で自分自身を表現していたんだ。




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