人間的なスーパーマンを描きたい
Q:今回のスーパーマン/クラーク・ケントはこれまでと違ってとてもかわいいというか人間臭いのが特徴的だと思いました。なぜそういうキャラクターにしたのでしょう。
ガン:僕はとても人間的なスーパーマンを描きたかった。彼の内面を、これまでにない方法で描いたつもりだし、彼にとってとてもパーソナルな物語になっている。それは、スーパーマン自身の心の旅にスポットを当てているから。彼の内面の恐怖や弱さは何なのか? それを描くことでとても人間的なスーパーマンになったと思っている。
そしてもうひとつ、僕はスーパーマンを、すべての人の幸福を考える、とても善良なキャラクターにしたかった。なぜなら、それこそがスーパーマンの原点だから。彼を「面白みのないキャラクター」とか「古臭いヤツ」という人がたくさんいることは知っている。でも、僕に言わせれば宇宙から来たエイリアンで、早く人間として認められたいと強く願っているヤツだ。エイリアンゆえに、彼は常に自分がアウトサイダーだと考えているんだよ。そういう部分があるからこそ、僕にとってはとても興味深い存在。複雑で描くに値するキャラクターだ。
僕たちのスーパーマンがかっこいいのは空を飛び、敵と対峙しているとき。でも、クラーク・ケントのときは、でっかい身体を持てあます、ぶきっちょで間抜けな男。そこも今回、僕が意識した要素なんだ。
『スーパーマン』© & TM DC © 2025 WBEI
Q:そうやって人間のために最善を尽くしてくれるスーパーマンに対して、ある事件をきっかけに人々は石を投げつけるようになります。善良であるためには血を流すことも必要だと考えているのですか?
ガン:善良さというのはときに、人々によって傷つけられることや誤解されることがある。この映画では、それがスーパーマンと世界の関係性を理解する中心的な部分になっているんだ。現在の僕たちは、権力をもつ人たちを信頼しないところまで来ていると思う。そういう状況の中、本当に善良な人が現れたとしても、果たして僕たちは信用することが出来るのだろうか? 今回のスーパーマンを興味深い存在にしているのは、そうやって彼を今の世界と対比して見ることなんだ。