クリプトのアイデアは保護犬から
Q:予告編以上にスーパーマンの相棒犬、クリプトが大活躍しています。クリプトが実写映画に登場するのは初めてですが、なぜ彼を出そうと考えたのでしょうか。
ガン:最初に言っておくけど、僕は犬のことが映画以上に大好きなんだ。彼らの賢さはもちろん、愚かさも無邪気さも素晴らしいと思っているから、彼らを脚本に書き込むのを僕はとても楽しんでいる。
そういうわけなので、僕は保護犬を飼っている。でも、彼はとても乱暴で、僕は手を焼きっぱなし。ノートパソコンを噛みついて壊したり、僕の脚に噛みついて怪我を負わせたり。そういうことが繰り返されるなかで僕はこう思った。「もしこれがスーパーマンのクリプトだったら家を壊され、ご近所にも迷惑をかけまくっていただろう。普通の犬でよかったよ」。そのとき「だったら映画に出したら面白いことになるんじゃないか?」というアイデアが生まれたんだ。それ以上の深い意味はなくて、ただ面白いからやってみようというノリだった(笑)。一応、言っておくけど、僕の犬は僕を愛してくれていて、クリプトもスーパーマンを愛している。ふたりとも、その感情をどう表現していいかわからないだけなんだ。
『スーパーマン』© & TM DC © 2025 WBEI
Q:あなたのその愛犬の名前、OZUだと聞いています。監督の小津安二郎から取ったというのは本当ですか?
ガン:本当だよ(笑)。オヅは大好きな監督のひとりで、実のところ、彼の顔がオヅに似ていたから、とてもしっくりくる名前だと思ったんだ。オヅに敬意を払って命名したんだ。クールだろ?
Q:はい! 最後の質問です。これまで何度も映像化されているスーパーマンです。そういうかつてのスーパーマンについてはどういうふうに思っていますか?
ガン:映画に限らず、コミックアーティストもライターも、どのアーティストも自分なりの考えや嗜好を持ち込んでいると思う。スーパーマンのようなアイコニックなキャラクターの楽しみ方のひとつは、さまざまなアーティストのレンズを通して見ること。マックス・フライシャーのスーパーマン、リチャード・ドナーのスーパーマン、ジョン・バーン(コミック作家)のスーパーマン、ザック・スナイダーのスーパーマン……彼らのスーパーマンを見るのが僕は大好きだ。さまざまなスーパーマンがそれぞれ違ったかたちで描かれているのは本当に楽しいよ。だから、そういう中で、僕のスーパーマンも楽しんでほしいと思っている。
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監督:ジェームズ・ガン
取材・文:わたなべまき
映画ライター。『TVブロス』『SFマガジン』『アニメージュ』等に執筆中。押井守監督の日本人論「押井守のニッポン人って誰だ!?」では編集と執筆を担当した。
『スーパーマン』
大ヒット公開中
配給:ワーナー・ブラザース映画
© & TM DC © 2025 WBEI