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コミックから飛び出した狂気!実写化されたジョーカーたち【川原瑞丸のCINEMONOLOGUE Vol.30】

コミックから飛び出した狂気!実写化されたジョーカーたち【川原瑞丸のCINEMONOLOGUE Vol.30】

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漫画を立体化したようなシーザー・ロメロ版



 ジョーカーというキャラクターを考えるとき、どんな姿を思い浮かべるだろうか。あるいは、誰が演じているジョーカーが浮かぶだろうか。主役であるバットマンが何人もの俳優によって演じられてきたのと同様、その宿敵であるジョーカーにもいろいろな顔がある。もちろん皆笑顔であることは違いないが。ホアキン・フェニックスが扮し、初めてその名がタイトルロールとなる最新作『ジョーカー』に備えて、これまでの主な実写バージョンについて振り返ってみたい。


 犯罪都市ゴッサムで、夜毎悪と戦うバットマンの前に立ちはだかるヴィランたちは数多いが、その中でも最も強烈な印象を残す代表的な宿敵が、ジョーカーだ。紫色のタキシードに真っ白な顔、緑色の髪、真っ赤な唇につねに貼り付けられた不気味な笑み、邪悪なユーモア、それがジョーカーの基本的なイメージである。知能も高く、凶悪な犯罪を繰り返すが、バットマンの働きによって逮捕されるに至っても、正気を失っているという理由で精神科病院であるアーカム・アサイラムに収容されるのがお約束(バットマンの悪役は大抵ここに入る)。そのたびにジョーカーが病院を脱走、あるいは普通に退院するなどして再び街に放たれることで、バットマンは彼と終わらない戦いを続けることになり、それはシリーズを支えるプロットのひとつでもある。


 キャラクターそのものの創造については、「バットマン」シリーズのクリエイターであるボブ・ケイン、ビル・フィンガー、そしてジェリー・ロビンソンという三人の間で、長年誰が直接の生みの親なのかという論争があり、2011年にロビンソンが最後に死去したことで真相は謎のままとなった。伝説的な悪役の誕生について少しずつズレた認識があったようだが、いずれにしても三人の言い分に共通しているのは、サイレント時代の映画『笑う男』におけるコンラート・ファイトの不気味な笑顔のキャラクターが、ジョーカーの着想のひとつとなっているということ。


 そんなジョーカーの最初の実写化は60年代のTVシリーズ「怪鳥人間バットマン」において。アダム・ウェスト扮する灰色タイツのバットマンが相棒ロビンとともに、ジョーカー、リドラー、ペンギン、キャットウーマンといった代表的な悪役たちと、様々な秘密兵器で対決するポップな特撮ものである。のちのダークでシリアスな実写作品とはまた違った魅力があり、お洒落でかわいい。シーザー・ロメロが演じるジョーカーも全体的に明るめのトーンで、髪は黄緑色、衣装も青寄りの紫ではなく赤紫。白塗りの顔にはうっすらヒゲが生えているのも印象的だ。今の主流である現実的で重厚な雰囲気にアレンジする実写化とは違う、まさに「漫画の立体化」という感じで味わいがある。



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